8月12日朝、プラハを出発し再び3時間のバスの旅。我々はチェコの南部
オーストリアの国境近くにある世界遺産の町、チェスキー・クルムロフ
へと向かいます。
因みにチェスキーはチェコ語で「ボヘミアの」、クルムロフは「川の湾曲
部の湿地帯」という意味だそうです。
文字通りこの町の旧市街は大きく巾着状に湾曲したヴルタヴァ川に抱かれ
ており、中世の雰囲気をそのまま残しています。
ここは、16世紀、ロジェンベルク家の支配の下、ルネッサンス様式の都市
として整備され、繁栄を極めました。旧市街はスヴォルノスティ広場を中
心に細い路地が入り組み、大小の美しい家屋がひしめき合っています。
現地の案内図の写真をアップしてみますが、こんな感じになっています。
真ん中にある広場がスヴォルノスティ広場、右上の小高い丘に建つ円形の
塔を持った建物がチェスキー・クロムロフ城です。
では、例によってチェスキー・クロムロフの全貌をyoutubeの映像で見てみ
ましょう。
チェスキー・クルムロフ旧市街とチェスキー・クルムロフ城。
ここも、例によってメルヘンチックな雰囲気を漂わせています。
旧市街の中心にあるスヴォルノスティ広場。
中世とルネッサンスが入り混じったような、どこかのんびりとした雰囲気を
漂わせています。
中央にある柱はマリア記念柱と呼ばれており、ペストに対する庇護を願って
聖母マリアにささげられたものです。マリア像はプラハの彫刻家マトゥーシュ・
ヴァーツラフ・イェッケル等によって1712年から1716年に製作されたもの。
スヴォルノスティ広場に着いたのがちょうど昼時。我々は、広場にあるホテル
「The Old Inn」のレストランでチェコビールとマス料理をいただきます。
マスは周りを流れるヴルタヴァ川で獲られたものですが、日本のマスに比べる
とちょっと大味かな?
昼食後、旧市街の坂を登り、更に橋を渡ってチェスキー・クルムロフ城の
見学に向かいます。
この城は、13世紀ヴィートコフ家の居城として建てられ、その後何度も増
改築が繰り返されて現在の形になったのですが、ゴシック、ルネッサンス、
バロック建築が混じり合った複合建築で、ボヘミア地方ではプラハ城に次
ぐ規模の城です。
何しろ大規模な城ですから、全てを見学するわけにはいかず、我々が見学した
のは第三の中庭と第四の中庭に面して建つ上層の城館だけです。
そしてこの城館がチェスキー・クルムロフ城の宮殿部分になっています。
残念ながら内部の撮影は許されていないので外壁の写真だけアップしておきます。
この宮殿は14世紀中ごろから18世紀にかけて建設され、徐々に貴族の館の体裁を
整えていったのですが、岩山の上部を平らにする工事から始めなければならず、
大変な難工事だったようです。
面白いのは、一見本物のように見えますが、壁の煉瓦も殆どの彫像もなんと全て
描かれたものです(笑)。
芸術と言ったらいいのか手抜きと言ったらいいのか迷うところです(笑)。
見学を終えて、外に出ると目の前に聖ヴィート教会とヴルタヴァ川、旧市街の街
並みが絵のように広がります。
世界遺産の町、チェスキー・クルムロフの見学を終えた我々は、再びバスに
乗り込みチェコを離れ、4時間の予定で一路国境を越え、オーストリアのウィ
ーンに向かいます。
では、最後にドヴォルザークの
「弦楽セレナーデ」
を聴いてお別れします。