*夕星の歌 -タンホイザーより-* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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今日は、ワグナーの楽劇「タンホイザー」より

「夕星の歌」

をアップしてみます。

場面は、ワルトブルグの谷。タンホイザーの恋人、エリザベートが
聖母マリアの祠で、タンホイザーの罪を許してくれるように祈って
います。

その姿を眺めているのは、タンホイザーの親友であり密かにエリザ
ベートを慕うヴォルフラムです。
そのとき、教皇に罪の赦しを得てローマから戻ってきた巡礼の合唱
が聞こえます。しかし、その中にタンホイザーの姿はありませんで
した。

エリザベートは聖母マリアに、彼への赦しと引き換えにわが身を捧
げると祈り、彼女と共にいることを断られたヴォルフラムは、エリ
ザベートの死期が近いことを知り、夕星に願いをかけます。

今日は、ロシアのバリトン、ディミトリー・ホロストフスキーとイ
ギリスのバリトン、ブリン・ターフェルの歌唱を聴いてみます。



Wie Todes-ahnung Dämm'rung deckt die Lande
umhüllt das Thal mit schwälzlichem Gewande,
der Seele,die nach jenen Höh'n verlangt,
vor ihrem Flug durch Nacht und Grausen bangt.


死の予感のように 夕闇が地を覆い
黒い衣で 谷をかぶせる
かの嘲弄をむさぼる魂は
夜陰と恐怖の飛行を恐れている


Da scheinest du, o lieblichster der Sterne,
dein sanftes Licht entsendest du der Ferne,
die nächt'ge Dämm'rung theilt dein lieber Strahl,
und freudlich zeigst du den Weg aus dem Thal
 

この時、お前は現れる おお最愛の星よ
お前の柔らかな光を お前は遠くから送り
その輝きは夜の薄闇を照らし
森からの道をやさしく示す


O du mein holder Abendstern,
wohl grüßt’ich immer dich so gern
vom Herzen,das sie nie verrieth,grüße sie ,
wenn sie vorbei dir zieht,
Wenn sie entschwebt dem Thal der Erden,
ein sel'ger Engel dort zu werden.
 

ああ わがやさしの夕星よ
お前に私はいつも快く心より挨拶を送った
彼女を裏切らぬ心からの挨拶を送れ!
彼女がおまえの下を通るとき
彼女が地上の谷より姿を消すまで
天国の天使となるべく



ディミトリー・ホロストフスキー


ブリン・ターフェル