シャルル・トレネ(4) *ラ・メール(La Mer)* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

昨日までにトレネの曲を3曲取り上げましたが、明日からは
再びミュージカル・レポートということで「王様と私」につ
いて書いてみたいと思っています。

そこで今日は、やはりトレネの代表曲ということで

「ラ・メール(La Mer)」
について書いてみます。6月のブログで一度取り上げました
が再登場ということですね。

この曲はフランスがナチスによって占領されていた1943年に
書かれました。当時トレネはフランス中を巡業していたので
すが、地中海沿いのモンペリエからペルピニャンに向かうフ
ランス国有鉄道(SNCF)の車中で書かれたと言われています。
逸話によるとトレネは車窓から見える地中海を見て、SNCFの
トイレット・ペーパーの上に10分で詞を書き上げたそうで
す。曲はレオ・ショーリャックが付けました。

トレネも周囲の人々も、最初はこの曲は平凡で特に独創的な
ところもないという理由でレコーディングをしなかったので
すが、1946年トレネ自身の歌唱でレコーディングすると予想
外のヒットとなりました。

さらにこの曲はアメリカに渡り、ジャック・ローレンスの英
詞(トレネの原詩とは異なります)で

「Beyond The Sea」
という題名で1959年にボビー・ダーリンが歌い、大ヒットしました。
最近ではディズニー映画「ファインディング・ニモ」の主題歌
にもなっています。
また、BGMとしても頻繁に耳にする曲ですね。



La Mer
La mer
Qu'on voit danser le long des golfes clairs
A des reflets d'argent
La mer
Des reflets changeants
Sous la pluie



明るい入江に沿って
銀色の波が踊る

雨がふると
様々にその色を変える


La mer
Au ciel d'été confond
Ses blancs moutons
Avec les anges si purs
La mer bergère d'azur
Infinie



夏の空に
羊のような白い波は
清らかな天使のようだ

それは
紺碧(こんぺき)の衣を纏(まと)った羊飼い


Voyez
Près des étangs
Ces grands roseaux mouillés


ごらん
潮だまりに生える
あの背の高い
湿った芦を


Voyez
Ces oiseaux blancs
Et ces maisons rouillées


ごらん
あの白い鳥たちと
潮風にさらされた
あの家並みを


La mer
Les a bercés
Le long des golfes clairs


海、それは
明るい入江に沿って
それらを
優しく揺すってきた


Et d'une chanson d'amour
La mer
A bercé mon cœur pour la vie


そして、愛の歌で
海は
生涯私の心を
揺すってくれるのだ


(私訳)

トレネ、1952年エトワール劇場でのライブ


Beyond The Sea、ボビー・ダーリン


Finding Nemo