パラレルワークの強みを生かし、
コンサルティングを通じて
事業マネジメントを推し進めます。
荒井竜哉です。
昨日の日経平均の終値は2万6568円、
前日比669円安と大幅に下落しました
日銀が金融政策を決める会合で
許容する長期金利の変動幅を
これまでの±0.25%から
±0.5%に拡大することを決めました。
これまで日銀は金融緩和を継続し、
利上げは行わないと言い続けていたため、
事実上の利上げ容認の方針に
市場が大きく揺れ、
日経平均の下げ幅は
一時800円超となりました。
長期金利は住宅ローンや
企業が発行する社債の金利の参考にされ
設備投資にも影響します。
これにより景気悪化が心配され
金融業界を除き、
日経平均を構成するすべての業界で
株価が下落しています。
それでも利上げの方針に踏み切ったのは
世界的に金融引き締めが続いている状況で
これ以上の金融緩和を継続することは
日本の購買力の低下につながり、
生産力や物価上昇への悪影響が大きい
と判断されたからかもしれません。
秋田県は洋上風力発電に適した地域ですが、
地域住民に受け入れられてきたのは
ただ適しているから、
というわけではありません。
10年前から地元・秋田で風力発電事業を推し進める
ウェンティ・ジャパン社のような
地域企業の活動があることは間違いないですが、
その他の大きな理由の一つは、
人口減少です。
秋田県の人口減少率は
9年連続で全国最高で
直近の2021年10月の減少率は1.52%。
20代の人口は
1950年からの70年間で
7割も減っており、
人口流出の大きさが
少子高齢化に拍車をかけています。
人口減少は
当然、地域経済の成長に
悪影響を及ぼします。
「洋上風力発電」という国家事業は
秋田県の経済活性化の期待を背負っており、
そのことが導入に対して
前向きにとらえる土台になっている
と考えられます。
洋上での風力発電設備の設置には
漁業に対する影響も心配されるところです。
秋田洋上風力発電社の方から聞いた話では
洋上風力発電で先行している
秋田港、能代港 港湾区域には
漁業権がないそうです。
秋田県内の漁業権について調べたWebサイトを見ると
たしかに漁業権が設定されていない場所に
風車が設置されています。
能代港 漁業権設定エリア(緑色線内)
秋田港 漁業権設定エリア(緑色線内)
画像:愛しのFishing
風車設置場所
画像:鹿島建設
ちょうど漁業権を避けるように
風車が設置されています。
もともとこのように設定されていたのか、
それとも地元の理解があって
漁業権をこのように設定しなおしたのか
その前後については不明ですが、
少なくとも風車設置に
地元漁業の理解があったことは確かです。
これは秋田県は漁獲量が少ない地域であり
専業漁業者が全体の1/3程度と少ないことも
理解を得るのに影響しているようです。
また風力発電の支柱周りは
岩などで固定されているそうですが、
支柱周りの岩が魚たちの漁礁となる事例が
確認されており、
漁業との共生も図れるとの期待があります。
欧州メーカーに頼ることの多い
洋上風力発電事業ですが、
今後は風力発電設備に関連する周辺産業が
秋田県内で立ち上がってくることが
期待されています。
すでに地元では航空機関連の部品メーカーが
風力発電設備の部品製造に取り組んでいますし、
洋上風力発電の設備メンテンナンスには
風力発電としての専門性と
洋上・船舶での専門性が求められ
高度な人材確保や育成が欠かせません。
当初考えていたメンテナンス用の船舶では
作業効率が悪かったそうで、
設置時に使用した大型作業船を
メンテナンスでも活用するなど
画像:商船三井
事業を見直し、安定・効率化するための取り組みは
まさに始まったところだそうです。
五島市で始まった浮体式洋上風力発電、
秋田県、千葉県で選定された三菱商事の企業グループ、
これから公募が始まる新たな海域の事業。
秋田県の先行事例を頭に置きながら
今後の他地域の展開を見ていきたいと思います。