すこし前に出たラリー | 躍人日記 2

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模型とか、日々の出来事とか。

このところ仕事が忙しい&朝ちょっと冷えた&ハイオク飲み過ぎ
な関係で少し体調が下降気味。
すこしプラモを休んで、本読んだり&webでラリー関係のサイトをぶらぶらしたり&さらにハイオク飲んだりしております(笑
そんなこんなで、過去のラリーのリザルトアーカイブを見ていたら、ふと数年前の開幕戦のが目に留まりました。
あー、あれか。あのラリーは良かったなぁ。
今までのワタシのベストラリーではないだろうか。
ちょっと思い出にふけってみたりして…

あれは●年前の4月。地元県での開催ラリーでした。
土曜日にレッキ。翌日本番。完全なデイラリーのTC方式でした。
ワタシは当時レギュラーでコンビを組んでいたドラゴンとエントリー(ドラゴンとは昨年のラリーでもコンビ組みましたね。この記事ではD氏と書いてますが)。
クルマはエボ2。それまでフレッシュマンCクラスで二人してブイブイいわしてまして、格上のCクラスに本格的に挑戦し始めた頃だったと思います。
ラリーの設定は、3~4キロくらいの短めのSSが8本。SS1~4はダート(グラベル)。サービスを挟んでSS5~8はターマックでした。
エントリーするCクラスは強豪ぞろい。毎回はるばる北陸地方からやってくるTさん、地元のグリーンさん、そしてここ数年チャンプの座を守り通している帝王Y3さん。その他にも有力ベテラン勢が多数。
Cクラス10台いて、我々がゼッケン8(実績順で8番目という評価ですな)なのでそのレベルを推して知るべし。
でもこのところドラゴンは乗れているので、いいとこ行くかも。本人もエライ自信です。
「今日は勝つ。マジで勝ちに行く」「本気か?この面子やぞ」「やる以上は勝ちに行く。舗装が得意やから後半勝負で。前半はトップから話されないように必死で走る」「…わかった。オレもノート頑張るわい」
そして始まりましたSS1。立て続けにSS2。
勝ちに行く宣言しただけのことはある。それはそれはスゴイスピードでコーナー入って行きます。あんまりドリフトアングルをつけずにコーナーに進入、出口で慣性で振られたテールをちょっと修正していきます。
コースも結構えげつない。SS2なんかガードレール無し!道の右側が空なんですよ。そんなとこで左3→右4のコーナーで、どう考えても「落ちたら全損やな」という風景なのに、進入スピードが速すぎて左3の出口で右リヤを道からはみ出させながらクリアしていきます。乗れてるのは間違いない。
SS2ゴールしたら、Uターンして逆走SS3。ちょっと待ち時間があります。
「いやー、あそこヤバかったな」「左3→右4で落ちそうになったトコやろ」「そーそー。あと○○の先のコーナー」「え?知らん?ノート読んでたから見てないな」「アンダー出て行きそうになったんや。マジでやばかったな」
さて、クルマから降りてナビが集合している輪の中に入っていきます。
「おー、ドラゴンとこはこのSS何秒?」「えーと25秒(分は省略して言うことが多いです)」「うわ、速いぞ!」
どうやら4番くらい。
トップは帝王Y3さん。SS1が異次元のタイム。SS2トップはグリーンさん。
ウチもキロあたり1秒遅れくらいでついていってます。おお、なんだか作戦通りだ。
このあともトップにはじりじりと離されながらも必死で食らいついていきます。
そんでSS4まで終わって、サービス終わって、いよいよ舗装ステージ突入。
ここまで4位で来ています。トップは帝王Y3さん。12秒差で2位がTさん、そこから7秒差でグリーンさん、そして12秒差でウチ。3位までは順当、ウチが番狂わせで食い込んでいます。
「いよいよ舗装じゃ。残りSSが15キロくらいあるからキロ当たり1秒詰められたら3位を狙える」「よっしゃ、気合い入れて行くでぇ」
SS5の前にちょっと待ち時間がありまして、みんなクルマを降りています。
そんな中、ゼッケン5番のグリーンさんが右フロントをジャッキアップしています。
「どしたんですか?」「なんかどうも挙動がおかしいんじゃ」
ギヤが入っているのに、ジャッキアップするとタイヤがクルクル回るんです。
「…フロントのドライブシャフトが折れとる」
こ、これはチャンス!!リタイヤはしないようですが、グリーンさんのエボ3はフロントの駆動が失われ、目出度くFRになっています。
そしていよいよSS5がスタート!
ドラゴン得意のターマックを駆け抜けます。ゴールチェックでオフィシャルに聞きます「ゼッケン5番のグリーンさんは何秒で上がった?!」「おたくら4秒勝ってるよ」「よっしゃぁ!」
ここで一気に8秒差まで詰めました。これはいいぞ!
SS6は比較的タイトコーナーが多めの設定、ドラゴンはえらく横向けて走っています。「右3」をコールしてノートからふと目を上げると、コーナーのイン側の土手が正面に見えています。土手の上でドラゴンの彼女がカメラ構えていますw。ゴールしたら「しまったぁ!舗装やのにダートの走り方で走ってしもうた~」横向けてるワケだ。
ゴールオフィシャルに聞くと、なんとグリーンさんはウチより1秒速くて、差は9秒に。グリーンさん、どうやらFR状態に慣れたか?
「グリーンさん、2駆のくせに速い!」「流石やなぁ。でもよく考えたら、舗装やから2駆でも決定的な差がつかないかもね。これがグラベルやったらスゴイ差が出ると思うけど」「うむむむ。とにかくがんばろ」
続くSS7、ドラゴンは走りを修正してグリーンさんに3秒勝ち。これで6秒差。
最終SS8前。「あと3キロちょっとで6秒差か…オレ、最後はリタイヤ覚悟で走る。落ちてもエエ。そのくらいの走りをせんと勝てん…」「…分かった。ワシの命は預けた」ワタシも腹を決めました。
そしてSS8。前半はテクニカル。そこをスゴイペースで走って行きます。ホントにリタイヤ覚悟の勝負の走りです。ワタシもアドレナリン出まくりです。コーナーで先ほども観戦していたドラゴンの彼女が手を振っていますが、応える余裕無し。
後半は高速セクションになります。あまりのスピードにノートが遅れそうになります。
「ノート遅いよ!!」ドラゴンが急かします。くっそー、ここまでノートはノーミスだったのに。
なんとかペースもリカバリーしてゴール!
ゴールのオフィシャルがタイム見て「うわっ速い!ベストタイムだよ!Y3さんと同タイム!」「そんなんはエエからゼッケン5番は何秒や?!何秒勝った?!」
「…えーと…君ら2秒も勝ってるよ!」「…2秒?たった2秒?くっそー!!!負けたか!!」
なんか悔しがってる我々をオフィシャルが不思議そうに見ています。そりゃそうだ。SSベストとれば喜ぶのが普通なんですもん。
ヘルメット脱いだら、あとはサービスパークに帰るだけ。
「お疲れさん。最後オレのノートが遅れなかったらなぁ、スマンかったなぁ。ええ走りやったのにな」
ドラゴンは笑って黙って手を出して握手しました。負けはしたけど堪らない充実感です。
最終TCで、顔役のわんだ氏がタイムカード回収してました。「はいはいタイムカード出して。最後のSSは何秒だったの?…うわ、Y3と同タイムじゃないか。お前らいったい何やった?!」


これがワタシのベストラリーの記憶です。
ドラゴン氏は自営で飲食店をやっていて、たまに遊びに行くんですが、飲みながら必ずこのラリーの話題になりますね。
こんなラリーにまた出会いたいな。
と思っているのでラリーをやめられませんw