フェアポート・コンベンション/THE BEST OF THE BBC RECORDINGS
しばし、わたしの青春だった、ロックとしては浮かばれない、80年代MTV・POPをご紹介してきましたが、今回は、ムードを変え、これまた久々に、60年代のお気に入りを紹介します。今日ご紹介したいのは、フェアポート・コンベンション/Fairport Conventionという、1960年代~70年代、イギリスで活躍したバンドです。このバンドは、60年代ブリティッシュロックのバンドとしては異色のグループで、イギリスの伝統的な音楽をロック調で演奏するみたいなテーマのバンドです。他に似た方向性、ジャンルの「ペンタングル」というグループもありますが、こちらのバンドのほうがロック色がやや濃い感じがします。ケルト民謡ロック化みたいな、アイルランドやスコットランドの民謡が好きな方には、まさにこれぞといったグループだと思います。そんな彼らの名盤は1969年に出た「リージ・アンド・リーフ」という作品です。こちらもお勧めですが、それもいいけれど、彼らのイギリスBBC放送でのパフォーマンスを収録したBBCセッションというアルバムが出ています。4枚組かなにかで高額なんですが、それをさらに絞ってまとめた、THE BEST OF THE BBC RECORDINGS が出ています。これは普通の1枚のCDで値段もリーズナブルですのでお勧め。なんであえてBBCかというと、これに入っているSir Patrick Spensという曲が最高に素晴らしのです。Fairport Convention/Sir Patrick Spens この曲は、前記の名盤「リージ&リーフ」のデラックス版にも、ボーナストラックとして入りましたが、バージョンが少し違っていて、そちらもいいのですが、BBC録音のこれはより気に入っている。ちなみにこれ、彼らのオリジナルソングではなく、元々スコットランドの子守唄だそうですが、これを聞いていると、アメリカのカントリーソングなどのルーツは、やはり英国トラッドにある。それが濃厚にわかる1曲です。この美しい声の女性ボーカル、サンディー・デニーは、かの「レッド・ツェッペリン」の「天国の階段」が入っている4作目の、「限りなき戦い」という曲で、ロバート・プラントとデュエットしている女性です。元々ジミー・ペイジの知人だったようですが、ペイジ先生自身もこのフェアポートや、ペンタングルの大ファンだったらしく、そんなレッド・ツェッペリンつながりでロックファンには知られているバンドだと思う。レッド・ツェッペリンがたまにやる、トラッド民謡的な曲や、フォーク的な曲は、彼らからの強い影響が感じられます。Meet On The LedgeBBCバージョンはこれと少し違いますが、やはりBBC盤のほうがわたしは好きです。