久しぶりに原稿を書く気になって、パソコンに向かってる。

 

肺せんがんの外科手術をしたのが14年前。肺腺癌の目に見えない残りかすが、しぶとく、3個のがんとして姿を現し、再発が分かったのが、7年前。いろいろなことがあった。半年に一度、CT検査、脳転移の有無の確認のためのMRI検査を行い、ハラハラドキドキ。それに慣れることなく、現在に至ってる。毎回、ps上の映像をみて、雲のような3個のがんの塊がほんのちょっとずつ、広がっているような、大きくなっているような、変わらないような。ドクター曰く、進行が超ゆっくりなので、何もしないでよいと。がんが大きくなっているのを待っているような年月だった。でも2年前、次の検査時から、そろそろ抗がん剤治療を始めますかと言われ、覚悟を決めた。ところがそのドクターは6ケ月後には転勤してしまって、私の担当医は別の人に変わり、まだ治療をしなくてよいことになり、現在に至っている。私本人はどこに癌があるのかと思われるほど、元気にしている。もっとも息切れは年々厳しくなり、近場の図書館に行くだけ、ちょっと買い物に行くだけで、途中休まないと、ハーハー。14年前、肺の3分の1を切り落としているので、これくらいの息切れは仕方がない。

 

先月、いつものように検査に行った。結果、脳転移はないが、肺の一個のがんが、胸膜に達しているとか。胸膜って何?画像から見ると骨にとどいている。全身転移も待ったなし?放っておいても大丈夫なはずがない。いよいよ治療か?でも先生の表情は冷静だ。

 

「水がたまるかもしれないけど、抜けばよい。あなたのはがんはゆっくりしているから、そんなに心配しなくてもよい。6ッか月後の検査の結果、治療を考えましょう。」

6ッ月の執行猶予。その間に寝ぼけたがんが活発に活動しないように祈るばかり。

 

図書館でがん関連の本を2冊借りてきた。読めば読むほど、心が不安定になり、睡眠を邪魔する。

たまたま気休めに小説でもと借りてきたのが、柳美里の『生』という本。彼女のパートナーの死に至るまでのノンフィクションだった。肺腺癌だった。一気に読んだのは言うまでもない。心がつぶれる思い。