芥川賞・直木賞が発表された。直木賞は大島真寿美氏の「渦 妹背山婦女庭訓」に決定、ちょっとうれしかった。

実は5月、この文楽を観劇した。妹背山は10年ほど前に一度観劇し、今度は2度目。ストリーも、舞台装置も、忘れているところもあるが、大体覚えていると思っていた。でも事前に妹背山に関する本があったら読んでおきたい。

観劇予定の一か月位前、タイミングよく新聞に「渦」の紹介があった。早速図書館に行き、情報集め。妹背山関連の本は全く検索に引っかからなかったが、たった一冊この「渦」が出て来た。新刊なのか旧刊なのか、注目作、人気作なのか私は知らなかったが、予約が多く、私の手元に届くのは文楽観劇の日に全く間に合いそうにないが、予約だけはしておいた。

10年ほど前の私は、文楽未経験。事前に友人が易しく丁寧に教えてくれたので、難しいという先入観は少々払しょくされ、魂を吹き込まれたような人形の動作に集中、感激したのを覚えている。

観劇の感動が収まった6月、意外と早く「渦」の順番がきた。関西弁の会話調の本で、読みやすい。「妹背山」を書いた中心人物が誰だったのか、私は観劇後も全く知らなかった。というより関心がなかった。「渦」はその作者近松半二の生涯についてのストーリーだ。江戸時代の文楽の状況、歌舞伎との確執など、作者は本当によく調べ上げているのに感心する。

その後、ほぼ一か月たった先週、芥川賞・直木賞候補のニュースがあった。今回は全員女性作家であると。そしてテレビに候補作の本が映し出された。その中にあったのだ。「渦」が。
これが直木賞受賞になればなあと思ったら、一昨日決定。わたしがうれしがるのも当然だ。

近年、女性が、本当にこつこつと頑張っている。私は形のある応援はできないが、心の中で応援している。