昨日は東京のど真ん中、日本橋三越本店で院展をみてきた。久しぶりの東京。やはり元気な中高年の女性がいっぱい。こぎれいなファッションで、元気な声でおしゃべりに興じている。東京は相変わらず生き生きとしている。景気がよい証拠だ。

院展は日本画展。たとえどんなに大声でおしゃべりしていても、絵はその声に邪魔されない。絵の中を静寂な空気が流れている。疲れていても、絵を見ていると、不思議と心が安らぐ。細かな描写に、画家の集中力、情熱に畏敬の念が沸くが、それをただ漠然と眺める自分が、時間泥棒のような気がする。一枚の絵を完成させるのに要した時間を、一瞬にして奪ってしまっている。どの絵も作者の投入努力に報いるほど、じっくり鑑賞したいけど、そんな時間はない。自分の気に入った絵をしばらく鑑賞して、ほかの作品は、申し訳ないが、雑に通過。

それでも足腰が疲れしまう。以前は絵画展の梯子をしたものだが、もう無理。展覧会一つ行くと早く自宅へ戻ってゆっくりしたい。絵は自宅でソファに座って、鑑賞するものなのかもしれない。お気に入りの絵を数枚所有して、時々置き換えて。そんな贅沢は庶民には高値の華だ。

我が家は、子供の描いた漫画チックな絵が壁に貼ってある。稚拙な作品だが、孫たちの元気な声が聞こえてくるようで、これはこれで楽しいもの。

帰り道、上野の満開だという桜の下を歩こうかと思っていたが、そんな体の余裕がない。一刻も早く電車の中で腰を下ろしたい。一年一年、体力の衰えを実感する。そして外出が面倒になる。哀しいかな、これが現実。楽しみは先細り。