第4部 石門呼吸修練の段階
6.大周天(天地人の気と調和を成す)
今まで帯脈運気や小周天、温養などの修練では、徹底した無意識を強調してきた。意識は、ひたすら丹田の蓄気に置き、心法を通じて無意識で修練することがこれまでの修練の方法であった。
しかし温養を遂げると、真気の蘇生先が作られるため、「大周天」からは、意識を使って運気をする。大周天運気からは、意識を使っても任督二脈から常に真気が蘇生する。意識を使わないと、真気をどこに送るべきか分からなくなり、却って修練ができなくなる。
大周天は、天の天気と、地の地気が天地間の空間の気と通じ合って人体を流れることにその意義がある。つまり人体の百会(泥丸宮の百会)を通じて天気を受け入れ、湧泉を通じて地気を受け入れ、労宮を通じて空間の気を受け入れて互いに通わせることである。それゆえ、大周天運気は、湧泉と労宮、百会を通じて気を流通することである。
百会、労宮、湧泉の位置
大周天運気を始めるには、先ず真気を下丹田から会陰に送る。会陰に送った真気は、会陰から左足裏の湧泉まで脚の中央を通じて送る。この時、関節部位である膝と足首で気が塞がり、送り難くなることがあるが、呼吸を長く、強くしながら気の塞がった所に意識を集中すれば、通せる。この点が小周天とは違うため、注意しなければならない。こうして左足の湧泉まで真気が至れば、会陰から湧泉まで流れてきた道を再び遡り、会陰に真気を引き上げる。会陰に真気を引き上げた後、今度は、会陰から右足の湧泉に真気を送り、再び会陰に引き上げるが、左足の時と同じ方法ですればいい。このように両足の湧泉を全て流通し、真気を会陰に戻せば、早速真気を下丹田に引き上げ、その後下丹田から中丹田(玉堂穴)に引き上げる。下丹田から中丹田に真気が上がる時は、大方熱い熱気を伴って上がることになるが、場合によっては、ただ暖かさだけを感じる人もいる。真気が中丹田の玉堂まで上がれば、早速左腕の中央を通じて掌の労宮に真気を送り、労宮に至れば、また中丹田に真気を戻す。左側が終わると、同じ方法で真気を右手の労宮に送り、また中丹田に戻す。このように両手の労宮を流通し、中丹田に真気を戻したのであれば、早速真気を中丹田から上丹田(印堂穴)に引き上げる。真気が上丹田に至れば、上丹田から百会に真気を送る。
大周天の姿勢
こうして湧泉と労宮、百会を流通した後は、同じ方法で運気を繰り返す。小周天の時と同じく2分以内に一周できるようになれば、会陰から左足の湧泉と右足の湧泉にそれぞれ順番に送っていた真気を一度に運気してみる。
両手の労宮も一度に運気する。つまり会陰から両足の湧泉に同時に真気を送って同時に会陰に戻し、中丹田から両手の労宮に同時に真気を送って同時に中丹田に戻すという話である。
大周天を遂げた人は、身体的に色々と不思議な経験をすることになる。仕事をしてもいつもより疲れなくなり、疲れたとしても回復が速くなる。小周天の時より体がもっと軽くなり、頭も冴える。そして大周天を遂げると、「三珠」が一層磨かれて光を放つことになるが、その光によって霊が清くなる。つまり霊力が強まる。大周天を遂げて霊力が強まれば、いくつか独特な経験をすることになる。仮に隣で誰かが知らない人のことを話しているとしたら、その知らない人に対して興味を持つ瞬間、その人のイメージが浮かぶことがある。また知りたいことがあれば、霊感によって分かるようになり、周りの人達を驚かせることもある。これは、三珠が少しずつ何回も磨かれ、放つ光が徐々に強くなったからである。つまり上丹田が少し明るくなったという話である。
しかしまだ「陽神」を遂げていない状態であり、気的側面で修練が少し進展しただけであるため、霊力によって何らかの現象を見ることになったり、答えを得ることになったりすることが常に正確なわけではない。まだ限界があるのである。
石門呼吸:석문호흡(増補版)、p80~83、桓祖(한조:Hanjo)著、石門出版社、2023
これは、韓国の石門道門の石門出版社で石門道書を正式に日本語に訳した物ではなく、韓国で石門道法の石門呼吸をしている私が日本人の方々に石門道法を伝えるため、独自に翻訳した物です。自分なりに日本語の勉強に励んできましたが、まだ足りない部分が沢山ありますので、文章に不自然なところもあると思いますが、どうかご了承ください。
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