水平面内 マト抜き 複数回ハンドキャッチ 動画
1 動画撮影
複数回のマト抜きは、残念ながら本番では成功しなかったが、
練習飛行では何回か成功し、その時の動画が一本だけ撮影されている。
動画撮影できなかったものとして、
3回転成功もあったが、練習熱心なあまり撮影されなかった。
2 機体性能
2回転と3回転の最も大きな機体性能上の違いは、
空気抵抗を極限まで下げられたかどうかという点にある。
衝突による修理のほとんどないものでなければ、
2回転半が限界だ。
また翼型のキャンバー(後縁の下げ量)も適量でないと、
3回転は難しい。
接着剤の硬度も、化学変化が収束して硬度の上がったものでないと、
空気力による機体の変形で、1回転半すら難しくなる。
3回転成功は、こうしたすべての条件が整ったうえで、
機体が幸運に包まれる(接触せずマトを通過できる)ことで、
初めて達成される。
3 マト抜き回数を増やすには
ゴムの引き量を増やせば、もっと回転するだろうと思うが、
私の試した限りでは、効果薄だ。
それ以上の高速では、空気抵抗が大きく総飛行距離はたいして伸びない。
これは計算上でも求められる。
その空気抵抗を押し切り、一回転分の飛行距離を伸ばすには、
とんでもなく大きなエネルギーを必要とする。
4 回数増を強引に行う
ゴム量を増やし、極限まで引いて、どうなるか。
最初のマト抜きで構造物に衝突すれば、機体は砕け散ってしまう。
修理すると抗力増加で3回転挑戦には使えなくなってしまうから、
実質一発勝負。
リスクを承知で挑戦することになる。
打ち出すと空気力による翼の変形(主翼のねじれが最大の問題)が大きくなり、
飛行距離延長を困難にする。
機体を高い剛性で作れば良いのだが、重くなる。
重ければ、主翼からさらに大きな揚力が出ないと、
旋回半径が大きくなってしまう。
それは最大揚力係数に近い姿勢で飛行することを意味し、
結局、空気抵抗の増加が勝り、L/Dを損なってしまうから距離は伸びない。
私の体験から言えることは、
もし、4回転ができたとしたら、
それは「すごい!!」、ということだ。
マト抜きを考えないとしても、とてもとても難しい。
もしかしたら、永久に不可能なことなのかも知れない。
5 マト抜き 2回転 ハンドキャッチ 動画
私の動画は、2回転までのものしかないが、見ていただきたい。
減速と同時にバンクが減っていき、マトを2回通過している。
途中、高度が変わっていくが、これによって複数回通過が達成できているのだ。
2回転通過後、ほぼ水平になった後もゆっくりとした飛行を続け、
失速するまで旋回を維持している。
そして、緩やかな失速の後、高度を下げ、
私の手の中に戻ってくる。