一般的な住居では「東京ルール」といった原状回復費のガイドラインを設定している所が増え始め、トラブル・訴訟に発展することは減ってきました。しかし、やはり初めに「契約書を熟読する」ということが大切です。それは「原状回復をする・しない」という範囲がしっかりと記載されているからです。

 それは何も住居に限った事ではありません。むしろ「気をつけるべきはオフィスや店舗として、借りている商用目的のテナント」です。商用目的のテナントは一般的な住居と違い、東京ルールといった原状回復費のガイドラインはありませんし、よくトラブルになる原因が居抜きなどで入居した場合です。

契約時に原状回復の範囲を明確にしておかなかったせいで、予想していた金額よりも多額の請求が来てしまい、どうにか原状回復費を抑えることは出来ないものかと悩む羽目になります。

そうならないためにも入居時に確認しておくべき項目はたくさんあります。「メリットもあるが、デメリットもある」ということも覚えておく必要があります。
 1.最初の契約書をよく読む 2.分からなければ質問する等でトラブルを未然に回避することも出来ると思います。
オフィス移転をする際、退去する際の原状回復に頭を悩ませることと思います。費用も高くつきますし、退去する側と管理会社とで回復の程度についての認識の隔たりが大きいと、管理会社と揉めることも考えられます。
管理会社への移転届け出の後に、原状回復のための現地調査が始まります。他にもやらなければならないことが山積しているにもかかわらず対応すると、後ほど想像していたよりも高額の見積が届き、困惑するケースが多いと思います。

「あまり揉めたくないから」と、多くの方が高い見積もりに応じてしまいますが、実は値引き交渉をすることで費用を大きく削減することが可能です。

オフィス原状回復についての「思い込み」をいくつかあげてみたいと思います。
当てはまる方もけっこういらっしゃるのではないでしょうか。

 ・原状回復で揉めると保証金が返還されない
 ・設置物をすべて撤去したうえで貸主に返還しなければならない
 ・ビルの指定した業者でしか原状回復工事を行えない
 ・ビル管理会社との費用交渉は、指定業者による見積後にしか行えない
 ・工事にかかる費用は削減できない

いかがでしょうか?
これらは全て「ただの思い込み」なのです。
事務所の移転の際、原状回復は必須だと思われていませんか?そう言い切ってしまうと語弊もありますが、事務所の引っ越しの際、原状回復の費用で頭を悩ませるのは確かです。この工事、けっこうな金額になってしまうことが多いのですが、それを省く方法も存在します。

なぜ、事務所の原状回復工事を省けるのかと言うと、「居抜き」で次のテナントが入居することで原状に戻す必要がなくなるからです。詳しく言うと、今ある状態や設備のままで使ってくれる入居者を見つけ、原状回復の義務も次の入居者に引き継いでもらうということなのです。

ここで問題になるのが自分たちで条件に合った次の入居者を探すことですが、これはかなり難しいことです。ここは不動産業者を頼って探してもらうのが得策ですね。そして次の入居者に事務所の原状回復の義務を引き継いでもらって、費用を賢く削減するのがおすすめです。

このように書くと次の入居者にシワ寄せがいくように感じられるかもしれませんが、大丈夫。設備がそのまま使えることで初期投資の額を抑えられるというメリットもあるのです。