前作の「トヨトミの野望」に続いて、本書も読んだ。

 

ハイブリッド車で成功を収めたトヨタが、テスラの台頭などEVの波をどのような状況で迎えていたのかを題材にしている。

ちょうどこの時期にアメリカに赴任していたこともあり、なぜトヨタは他社のようにEVシフトに踏み切らないのか、このまま競争に敗れてしまうのではないか、と心配していた。

 

当時の紙面では、トヨタがEVの限界を説き、ハイブリッドを主軸に据え続ける方針を明確にしていた。

本書は2021年の出版であり、その後のEVの趨勢を踏まえたトヨタのポジショニングの評価までは至っていないが、それでも当時トヨタが紙面上で主張していたマーケットの見方の鋭さが、あまり触れられていなかったのは残念だった。

 

一方で、森製作所のモデルが小田原エンジニアリング(モーター用自動巻線機で国内首位、世界2位)との関係に基づいていることは、恥ずかしながら初めて知った。

 

EV偏重の流れに追随しないという軸のある姿勢を示しつつも、小田原エンジニアリングの件では、EVに対する焦りも垣間見え、競争の中で生き抜こうとするトヨタの素直な姿が感じられた。

また、気軽に読める本を手に取ってしまった自分の弱さを感じつつも、それなりに面白く読めた。

 

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