ずいぶん前に、すでに読んだ本だったが、オーディブルでも出ていたので、聞くことにした。

「走ることについて語るときに僕の語ること」と似た感じの本で読みやすいだけでなく、

ギリシャを含む南ヨーロッパでの暮らしぶりが書かれていて、自分にとってはとても懐かしい。

 

だいぶ忘れていた内容もあったので、新鮮な気持ちで聴くことができた。そして、今回も楽しめた。

ギリシャやイタリアの描写は、本当にそうだよなと思わされることばかりだった。

突っ込みどころの多い国であり、国民がいる。

住んでいると文句が多くなるが、憎めない。そして、だんだんとそこにいる人たちに愛着が湧くようになる。

 

シチリア島のパレルモはその中でも村上氏は酷評していたが、自分も行ったことがないので、わからない。

今でも変わらず、やばいのだろうか。

自分も社会人になってから20年近くぶりにギリシャに出張で訪れたことがあるが、

あまりの変わらなさぶりにびっくりしたものである。

きっとパレルモも村上氏がいたころ(1990年頃) から変わっていないだろう。

 

その土地の人との会話や食事、音楽、映画を通じて文化を咀嚼し、それを自身が描く小説の中に反映させていく。

村上氏のように走ることと書くことをコツコツと続けている人でも、悩んで書けなくこともあることの描写も出てくるが、

それでも彼のそういった生き様が、職人のようであり、修行によって人として磨かれているようであり、うらやましい。

 

自分もまた南ヨーロッパ、とくにギリシャには行きたいと思ったし、

コツコツと積み上げていく人生を自分も実践したいと思った。

 

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