気になっていた本書、やっと読んだ。

読まないといけないと思いつつも、暗い気持ちになりそうなので、なかなか手が伸びなかった。

しかし、読み始めるとすんなりと入り込めた。

実体験に裏打ちされた説得力があり、全人類が共感しうる内容。

 

以下は自分にとって大事な言葉になりそうだ。

「人生が自分に何をもたらすかではなく、人生が自分に何を求めているかを考える」

「人生に対して何を提供できるか、世界に何を与えられるかを考える」

 

そして、最後のあとがきも印象的だった。

本書にはユダヤ人という言葉が一切でてこない。

それはフランクルが、人間をカテゴリで区分し、その間の憎悪を煽るようなことを決してしたくなかったからだ。

迫害されたのはユダヤ人だけではないし、ナチスの収容所内の管理者でも善意を持つ人々が多く存在していた。

 

カテゴリに関わらず、万人が希望をもって人生を歩んでいけることを切に願い、

フランクルは本書を書き上げたことが、ひしひしと伝わってくる。

 

 

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要約

1. 収容所の状況

収容所の生活は過酷で、収容者は将校の指示で生死を決められる。生き残っても、待っているのは飢えや寒さ、重労働。所持品は没収され、名前も奪われ番号で呼ばれる。朝、隣の人が目覚めなくても驚きはない。フランクルはこのような状況を約2年半経験した。

2. 生き残れる人の特徴

過酷な環境では、多くの収容者が無感動の状態(アパシー)に陥る。多くは生きることを放棄するが、未来を信じることができた人は生き残る。「自分の未来を信じることができた人」が最後まで生き残ったのである。

3. 未来に希望を感じていた人

未来に希望を感じる人は、現実世界ではなく別の世界へのチャネルを持っていた。祈りや歌、ユーモアを通じて意識を別世界に飛ばし、収容所生活を乗り越えたのだ。身体の丈夫さよりも、未来への希望が重要だった。

4. どんな人生にも意味がある

未来に希望を持つことは簡単ではない。特に強制収容所のような過酷な状況では、人生に意味を感じることが困難である。希望を持てる人は「自分が人生に何をもたらせるか」を考えており、これが希望を持てない人との違いである。人生が自分に何をもたらすかではなく、人生が自分に何を求めているかを考えるべきである。

5. 人生はあなたに問いかけている

人生に絶望する人もいるが、人生もまた私たちに問いかけている。人生に対して何を提供できるか、世界に何を与えられるかを考えることが重要である。「内に目を向けるのをやめ、外の何かに目を向けるべきだ」とフランクルは述べる。

6. 欲望ではなく使命を求める

思考の方向を変えれば、人生の在り方も変わる。欲望ではなく使命に基づいた生活をすることで、人生に意味を感じることができる。フランクルは、人生を意味あるものに変えるのに遅すぎることはないと言う。

7. 運命と向き合う

自分の人生と向き合い、運命を受け入れることで、人生の意味を感じることができる。運命と向き合うフェーズを通じて、希望を得られる。

 

解説

1. 人間性の喪失と再生

フランクルは、ナチスの強制収容所という過酷な環境で、人々が感情を失い、ただ生き延びるためだけに行動する姿を目撃する。収容所では個人の尊厳が踏みにじられ、人間は番号で管理される存在に成り下がる。しかし、非人道的な状況下でも思いやりを保つ人々がいた。極限状況は人間性を奪うが、同時に人間の尊厳の大切さを再認識させる機会ともなり得る。どのような状況でも奪われない「自由」が存在し、人間性が再生する可能性があるとフランクルは述べる。

2. 苦難への意味付け

フランクルは強制収容所での過酷な体験を通じ、「苦難にも意味がある」と気づく。多くの収容者が生きる意欲を失う中、フランクルは「人生の意味」とは人生が自分に何を問うかという考え方を提示する。苦難に直面したとき、「なぜ自分がこんな目に遭うのか」と問うのではなく、「この苦難にどう立ち向かい、どのような意味を見いだすか」が重要である。自分なりの意味を見つけることで、苦難を乗り越える力を得ることができる。このメッセージは現代を生きる私たちにも通じる普遍的なものである。

3. 自分の人生の意味を見出す

現代社会では物質的な豊かさがある一方で、多くの人が「意味への欲求」を満たせず不満を抱えているとフランクルは指摘する。その解決策は、他者に人生の意味を求めるのではなく、自ら積極的に探求することだと述べる。人生の意味は、成功や失敗で測るのではなく、自分にとって意味があるかどうかで見出すべきである。特に、誰も代わることができない自分自身の苦しみに向き合い、そこから新たな可能性を見出すことが人間的な成長につながる。フランクルの経験とメッセージは、人生の意味を真剣に考えるきっかけを与える。

 

本書の要点

  1. 極限状態に陥ると、人は自己防衛のために感情を消滅させてしまう。しかし自然や芸術、ユーモアに触れ、内面を豊かにすることで、正常な精神状態を保つことは可能。
  2. 人は環境によってすべてを決定されてしまうわけではない。どんな状況にあっても、その状況に対してどのように振る舞うかという精神の自由だけは、だれにも奪うことができない。
  3. 「生きる意味」とは、我々が生きることになにを期待するかではなく、生きることが我々から何を期待しているか、未来で我々を待っているものは何かを知り、その義務を果たすことで生まれる。