この類の本はあまり手を出さない。
いかにも「女子」なテイストの、しかも長編。
読み始める前、たまたま目にしたレビューに
「男性諸君は、女性が基本的にこのように考え、振る舞っていることを知っておくべきだ」
といった説教臭いコメントがあり、序盤から本書に対して悪い印象を抱いてしまった。
実際、読み始めてしばらくは、無能で無神経な男たちを前に、
女性がいかに苦労して取り繕い、生活を強いられているかを主張しているようにしか思えず、
嫌気がさして何度も挫折しそうになった。
おまけにグロテスクな描写も多く、決して気持ちの良い話ではなかったこともある。
しかし、主人公(或いは著者)が見ている世界が本書を通じて赤裸々に表現されているのだとしたら、
妻や娘を持つ身として理解しなければならないのではないか、と読み進めるうちに、そう思うようになった。
そして、作中で描かれる男女の役割や立ち回りを、
自分も無意識のうちに(これほど大げさではないにせよ)やってしまっているのではないかとさえ感じた。
ラロロリン人、上外国・下外国、クリーンタウン、ピョコルン、そして性格のない自分。
本書で少し大げさに表現している事象も、
程度の差こそあれ、現実の問題として表面化されているものもあるし、
決して遠い未来の話ではないかもしれない。
一方で、こうした事象を過度に問題視することには違和感も残る。
例えば、声高に「人権」を主張する極端な言説は、かえって問題を複雑にし、世界の分断を助長させる。
「幸せ」や「良い世界」の形に、全員共通の「正解」や「答え」があるわけではない。
結局は、不完全な人間の特性を理解した上で、現実と向き合わなければならない。
本書の内容を、短絡的な正義感で捉えたくはない。
ただ、これまで自分があまり向き合ってこなかった女性的視点を本書を通じて、
見ることができたのはよかったと思えた。
