気になっていたこの名著。

いきなりこの長編に挑むのではなく、

まずは『100分de名著』で概要をつかむことにした。

 

講師の小黒康正氏が「複雑な現実と、どう向き合えばいいのか」という副題をつけているように、
本書は時間の捉え方、生と死、理想と現実、ヒューマニズムとラディカリズム、
さらにはパンデミックや戦乱といった理不尽な現実、人間の精神に内在する不合理な力など、
人生における矛盾や複雑さを余すところなく描き出している。

 

物語は、主人公ハンス・カストルプがスイス・アルプスの療養所にいる
いとこのヨーアヒム・ツィームセンを訪ねる場面から始まる。


やがて長期滞在することになり、療養所での人間模様や、
ハンス自身の思索の変遷を通して、現実の複雑性が浮かび上がる。

 

原著は長く、難解だろう。
それでも、どこかで挑戦してみたい。

 

現代は膨大な知識を簡単に手に入れられる一方で、
複雑な問題と向き合うことがなおざりにされ、

すぐに白黒をつけようとする風潮が強まっている。
だからこそ、本書が示す人生の複雑さにじっくりと向き合い、
すぐに答えが出ない問題に挑み続ける力を、改めて確認したい。