吉田修一氏の「悪人」は自分にとっても名作で、
違うのも読んでみたいと思っていた。
上下巻で少し長いが、本作をオーディブルで聞いた。
言い訳になってしまうが、複数人の朗読者を起用するのは大変いいのだが、
ランニングをしながら聴いていたせいもあって、
音量をMaxにしても聞き取れない声で朗読している箇所が多く、
全体のストーリーを完全にフォローできぬまま聞き終えることになってしまった。
ただ、本作のテーマである、人が人に対して抱く、
心の底にある何かを探ろうとしているところに魅力を感じた。
人を信頼するということはどういうことなのか、
悪事を犯した人に対して、どのように対峙すべきなのか、
その疑念を持ってしまったら、その人に対してどのようにふるまうべきなのか、
そして、それ自体を裏切られたと思ってしまっていいのか、
裏切られたと思って怒りに転じてよいのか。
今日も「X」で誰かが、幸せを感じるためには、
質の高い人間関係を持つ必要があると言っていた。
その通りだと思う。
ただ、その質の高さをどのように構築すべきなのか。
こちらが大事にしようと思っても、必ずしも自分の思い通りにいかないことも多々あるだろう。
そういったことも含めて、本書に記載されている自分が信じたいと思う人に対する
「心の揺れ動き」や「心の持ち方」を言語化する上でも良い勉強になった。

