東畑開人氏の「心はどこへ消えた?」を以前読み、

読みやすかったこともあって、本書を手に取った。

 

臨床心理士として現場経験を着実に積みつつ、

その積み上げたものを物語風に本書では仕立てている。

自分と同年代の著者だからなのか、目線が近いように感じ、共感できる点が多い。

 

答えのない問いに耐えること。時間をかけて考えること。

これらは最近自分が読む本によく目につく言説である。

 

本書もそうしたメッセージ・姿勢が貫かれており、簡単に「答え」に飛びつこうとするのではなく、

周囲の力も借りながら、時間をかけて乗り越えようとすることの重要性を説く。

 

そして、本書も自然体で書かれていて、押しつけがましくも、説教臭くもない。

だからとても読みやすかった。

 

 
 
  • 悩みを「これが原因!」と単純化せず、数学の補助線のように複数の線を引いて全体像を把握。家族の期待に縛られる人々のケースで、生き方の多様性を示す。
  • 心を「理性のジョッキー」と「感情の馬」に分け、コントロールではなく調和を提案。
  • 人間関係の「シェア(共有)」と「ナイショ(秘密)」のバランス。
  • スッキリ=傷を外に吐き出し回復、モヤモヤ=内側で消化し成長。幸福は複雑さを抱えたまま生きること。
  • ポジティブ・ネガティブの両面を認め、「純粋と不純」の間で生きる。
  • 「時間をかける」重要性を強調。