本書は地質学、遺伝子工学、宇宙物理学などの分野における学者たちによる寄稿集である。

それぞれの学者が、自分の情熱を注いできた研究領域について語っており、その熱量が文章から伝わってくる。 

彼らは自分の好きな領域を見出し、そこに没頭しているように見え、その姿はとてもうらやましい。

 

もっとも、彼らは長年にわたり大変な苦労を積み重ねてきた学者たちであり、 

このような書籍に寄稿できるほどなのだから、 学者の中でもほんの一握りの成功している側に属する人々なのだろう。 

その背後には、研究分野の選択に迷い続けたり、成果が思うように出ず苦闘している多くの学者がいるはずだ。

 そう考えると、軽々しくうらやましいと口にすることには、ためらいも覚える。

 

一方で彼らは、必ずしも世の中に需要があるとか、すぐに役に立つと分かっているわけではないテーマに対して、

 人類がいまだ到達していない真理を、それぞれの領域で粘り強く探究している。 

こうした探究を、このような人たちが続けられるように、政界も産業界もしっかりと支援していかなければならない。 

 

そして同時に、自分自身もまた、ここに寄稿している学者たちのように、 

日々の努力を地道に積み重ねていかなければならないと感じる。

  • 本を書く人はよく本を読むというが、良い論文を書ける人もやはりよく論文を読んでいると思う。研究の最前線をフォローしていることは大前提だが、その中からやる気や問題意識が生まれる。本や論文をよく読むことは身を助ける。