古典や難しい本を手に取るとなかなか進まない自分を情けないと思いつつ、
つい気になってしまうのが、このようなタイトルの本だ。
こうした本を読んだからといって、劇的に何かが変わるとも思えないし、
変わらないことがわかっているのに手にとってしまう。
本書も「そうだよな」というような内容の本だった。
別に批判的になっているわけではない。
結局、この当たり前のことを当たり前のように言うしかないだろう。
重要な論点を掴むこと。それは全体の文脈と個別の議論を行き来しながらでしか、特定ができない。
しかし、それが特定できるまで、その行き来を続けなければいけない。
何も難しい本にだけ当てはまる話ではなく、
仕事をしている中で出くわす答えのない問題を解こうとする際にも同様のアプローチを繰り返さなければならない。根気強く。
そういった意味では、その重要性を改めて本書で確認できたし、
それをせっせと続けることを毎日やっていくしかない。がんばれ。
理解するためのステップ:
- キーセンテンスと照らし合わせれば、文章の各部分の役目が明らかになる。
- キーセンテンスを探すことは、自分が賛成できる箇所を探すことではなく、書き手が筋道立て言おうとしている結論を探すことだ。
- キーセンテンスを見つけることは、文章の中のしっくりこない箇所を減らすことにも役立つ。
- 《文章全体が何を言いたいのか》を考えてみて文章全体の主張を押さえれば《どの文がキーセンテンスか》も見えてくる。
- 全体の主張と各部分の意味をそれぞれ理解するには、全体と部分の「グルグル回り」にうまく入り込むことが大事。
読解のテクニック:
- 文章をピンとくるレベルで理解するには、文章の内容を確認するだけでなく《それのどこが重要なのか》をつかむことが大事である。
- 具体例を挙げることで、抽象的な議論の提示する一般的な枠組みがじっさいにどう用いられるかがわかる。
- モデル(すなわちばっちりの具体例)を探すときには、ひとつ具体例が見つかったとき、いまいちど《ベターな例はないか》を検討するのがよい。
