高校生のとき、フランス語の授業で読んだ「L'Étranger(異邦人)」。
当時は家庭教師とも一緒に読み、さまざまな論点を取り上げてエッセーも書いた。
 

そんなこともあって、「異邦人」は自分にとって間違いなく思い出の一冊だ。

不条理と隣り合わせに生きているという感覚は、あの頃と今とで明らかに変わっている。
それでも、自分のどこかでずっと、異邦人もカミュも息づいている。

 

オーディブルで本書が目に入ったとき、迷わず読みたいと思った。
カミュに影響を与えたJean Grenier (ジャン グルニエ)の存在、
第二次世界大戦から東西冷戦、アルジェリア独立戦争へと続く激動の時代を生きながら、
さまざまなことを自分事として捉え、考えを言葉にして発信し続けたこと、
そしてアルジェリア、フランス、ギリシャといった異なる土地で思索にふけった姿が、本書では紹介されている。

 

人が生きる理由を苦悩しながらも前向きに捉えようとしてきた姿勢、

不器用ながらも一生懸命さが伝わってくるところが、

自分がカミュを好きになる理由なのだと改めて感じた。

自分もそういった生き方がしたいと思っているからかもしれない。

 

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