ほとんど本を読まなかった自分が、椎名誠を手に取ったのは小学生高学年か、
あるいは中学生になってからだった。
同級生の影響で読み始めた彼の作品は、
とっつきやすく読みやすかったこともあり、すんなり世界に入り込めた。
残念ながら、それがきっかけで文学少年になることはなかったが、
椎名誠は自分にとって懐かしく、お世話になった作家だ。
今回の作品も相変わらずの語り口で面白かった。
最近、車で聴くオーディブルは英語の小説が中心で、
集中していないとすぐに内容が分からなくなってしまうことが多かったが、この本は気軽に楽しめた。
オーディブルで聴いていたため、作中で挙げられていたたくさんの作品名を一つ一つメモすることはできなかった。
しかし、レヴィ・ストロースの『悲しき熱帯』のように、いつか読まねばと思う作品もいくつかあった。読後にネットで挙げられた作品をチェックしようとしたが、探し当てることはできなかった。
本書を読んだことで、もっと広い世界を知りたい、もっと様々な本に触れたい、
SFを読んで想像力を広げたいと思えた。
そして、気楽な気持ちになりたいときには、また椎名誠を読みたいと思った。

