本著者はフランスの思考方法や教育方法に関する著作もあり、 

どのような主張を展開しているのか気になっていた。 

 

新書である本書は読みやすく、展開している主張もわかりやすかった。 

ちなみにオーディブルで聞いたが、はじめてのデジタルボイス版で、

 抑揚のないメカニカルなトーンは確かに気になった。 

小説でデジタルボイスは成立しないだろうなとの感覚を得たが、 

こうした新書であればまぁ良しとするのだろう。

 

何かとアメリカ方式をベンチマークにしてしまう日本。 

はやりのコンサル業界で、巷にあふれる論理的思考や戦略的思考も、

基本はアメリカからの輸入だ。 

 

しかし、フランスやイランを事例に、 

目的、議題やコンテクストによっては異なった思考法が存在することを認識すべきであり、 

なおかつ使い分けられるようにすべき、とのこと。 

 

多くの人と関わりながら生きていかざるを得ない人間たち。 

ここに記載されているような思考方法を前提にして、

他者と関わっていけるかどうかで、 全く違った展開になってしまうということを感じる。

 

とても良い本だった。

 

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