グランドキャニオンに向かう長い車中、オーディブルで聞いた。
18時間の大作。長かったが、ストーリーが整理されていて聞きやすかった。
画家と画商、親と子供、兄と弟、記者と刑事、写実と抽象、加害者と被害者。
さまざまな関係が描かれる中で、それでも一人の人間として生きていく。
生きていこうとする主体が、それぞれの視点を持つ。
その視点には、それぞれの「正しさ」が存在する。
そして、その「正しさ」に運命を振り回されてしまうこともある。
話の関係性が少しできすぎている印象も受けたが、それは本書の本質ではない。
誰もが、それぞれの「正しさ」に基づき、一生懸命に生きている事実。
本書は、その姿を丁寧に描写している。
これまであまり手に取ることのなかった現代小説だったが、読んでよかった。
