次の長旅で、絶対に聞きたいと思っていた本書。

グランドキャニオン行きの長いドライブでついに聞くことができた。

 

1巻から5巻までを今年の6月頃までに読み終えていたので、

5カ月ぶりの深夜特急も、聞き心地の良い斎藤工の朗読ですんなりではいっていけた。

 

最終巻の本書はイタリア・フランス・スペイン・ポルトガル・イギリス。

どこも美しい国々で、旅の最後の余韻を味わうようなルート。

そういった意味でもそれまで見てきたようなハラハラ感はない。

 

イタリアで、多くの人から電車での移動を勧められるも、

かたくなに電車ではなく、バスを乗り継ごうとする場面で、

なぜバスにこだわっているのかを忘れてしまっていた。

 

「もっとも、こちらに弱味がなかったわけではない。なぜバスで行きたいのか、しかもロンドンまで、と問われた時、人を納得させるだけの答えがなかったのだ。」

 

そして、本書の終わり方も印象的。

イギリスの入国審査で、その時の政治情勢もあって根掘り葉掘り調べられるも、なんとか入国。

そして旅の最終目的地であったロンドンの中央郵便局に行って電報を打とうとするが、

電報はどこの電話ボックスからも打てることを知る。

「ワレ到着セリ」と打とうと思っていた電報を「ワレ到着セズ」と打ち、旅を終える。

 

旅は人生そのもの。恐れずに動かないと何もはじまらない。

そして、はじまった後の終え方も自分次第だ。

 

自分が求めていることや信じていることが、

その行動によって旅に表現される。人生も同じ。

どのように表現されるにしても、まずは自分の信じることの見極めが重要だ。

 

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