これまで読んできた「考える」「戦略思考」系の書籍に共通することが書かれていた。
そして、本書はそれをうまく整理して書いてくれており、すんなり入ってきた。
以下にこれを日々の実践に取り入れて、愚直に続けていけるかにかかっている。
1. 考えるためには「書く」ことが重要
「考えることが苦手」という人の多くは、頭の中で同じことを繰り返し「思っている」だけに過ぎない。「思う」と「考える」は異なる行為であり、これを理解していないことが、考えることが苦手な原因である。では、どうすれば「思う」ではなく「考える」ことができるのか。解決策は「書く」ことである。紙やデジタル媒体に関わらず、何かに書き出すことで、頭の中のループから抜け出し、思考が進む。人間は同じことを繰り返し書き続けることができないため、無駄だと気づき、新しい視点が生まれる。
2. アイデアは知識から生まれる
何の知識もなしにアイデアを生み出せるのは、ごく一部の天才に限られる。ほとんどの人間は、まずインプットを行い、それを基に考える。第一線で活躍する人々も、若い頃から大量の情報を継続的に取り入れている。アイデアを出すためには、まず新しい知識を得て、それをもとに考えるしかない。「アイデアが出ない」「考えられない」と感じるのであれば、まずインプットから始めるべきである。知識の増加が、アイデアを生み出す土台となる。
3. 考えるべきは「問題」「課題」「戦略」
問題とは、「あるべき姿」を妨げている状態である。課題とは、その問題を解決するために具体的に取り組むべき点を指す。私たちが直接的に取り組むべきはこの課題である。戦略は「目標を達成するためのアクションプラン」であり、戦術はそのアクションプランを実行する具体的なステップである。たとえば、売上目標を達成できない企業の場合、次のように整理できる。
- 問題:売上目標未達
- 課題:新規顧客の獲得に向け、顕在顧客層に認知される必要
- 戦略:認知度向上に投資
- 戦術:タクシー広告の実施
4. 因果関係の整理で課題を特定する
全ての事象には、それを引き起こした原因が存在する。課題を特定するためには、まず事象と原因の因果関係を整理する必要がある。原因と結果を矢印で結びつけると、複数の要素が絡み合い、行動に影響を与えていることがわかる。矢印が多くつながっている要素は、複数の問題を一気に解決する可能性が高いため、重要な課題となる。
5. 同じターゲットを持つ企業を見つける
例えば、ビールメーカーが「若い社会人に飲んでもらいたい」と考えたとする。同じターゲットを狙う他のビールメーカーとの協業は難しい。しかし、スーツメーカーなど、他業種で同じターゲットを持つ企業との協業は可能性がある。たとえば、「スーツ着用者にビールを割引する」キャンペーンなどが考えられる。
初級編 頭の外に出す
「考える」は「まとめない」
「考える」は「分ける」
「考える」は「図にする」
中級編 付加価値を作る
「考える」は「知る」
「考える」は「違和感に気づく」
「考える」は「仮説を持つ」
上級編 提案性を持つ
「考える」は「課題を作る」
「考える」は「目標を再設定する」
「考える」は「両立させる」
考える力を高める三つのコツ
- 頭の外に出す
- 付加価値を作る
- 提案性を持つ
10のワザ
- まとめない
- 分ける
- 図にする
- インプットする
- 違和感に気づく
- 仮説を持つ
- 課題を作る
- 目標を再設定する
- 両立させる
- 自分を出す

