岡本氏の「世界史とつなげて学ぶ 中国全史」が面白かったので、

すぐさま本書も手に取った。

 

中国の存在を抜きにして、閉じた日本史を学んでも本質を捉えることはできない。

しかし、それを学ぶことのできる東洋史学は、解体寸前の絶滅危惧種、とのこと。

大学にある東洋史・中国史の講座・授業には誰も寄りつかなくなっている、という。

自分が興味を持っているフランス文学とかも同じ状況と言われており、

それに比べると東洋史・中国史はまだマシのような気がしていたが、

やはり、皆さんもっと実用的な学問に流れているのだろうか。いずれにしても残念である。

 

日本が中国を模倣してきた歴史を辿っていたことは、自分もその感覚はもっていたし、本書を通じてそれを再確認した。

一方で、日清戦争後、戦争したにも関わらず1900年代初頭には中国から日本へ多くの留学生が渡った。

留学生たちは西洋文明を模倣していた日本から多くを学び、それを中国に還元。

そうしたことも影響したのか、一時的に日中の関係が良好だった時があったというのは意外だった。

 

本書もストーリーとして興味深く、また違った形で中国について学びたいと思えた。

 

 

 

  • 日本史は中国の模倣から始まった。東アジアの影響を受けながら発展してきた歴史を、中国史と関連付けて新たに語る試みが行われている。
  • 国家は農耕民と遊牧民の接触から始まり、中国は境界線が早くからあったため国家形成が進んだが、日本は島国ゆえ遅れた。その遅れを取り戻すため、日本は中国の制度を模倣して国家を作り上げた。しかし、平安時代以降、日本は次第に中国から離れて自立し、独自の社会と文化を形成していった。江戸時代には社会が安定し、士農工商の身分制度がありながらも、農民中心の一体化した社会が特徴となった。
  • また、日本史において気候変動は、現代ほど意識されていなかったが、歴史上に影響を与えた可能性がある。日本の歴史の流れを見ると、7世紀から8世紀の律令国家の形成、11世紀からの武家政権の勃興、16世紀以降の天下統一などのダイナミックな変化が見られるが、これらが気候変動とどのように関わっていたかはまだ十分に解明されていない。
  • 古代日本は唐の律令体制をモデルとしたが、中国と日本の国情の違いにより、そのままの制度を導入するのは難しく、日本版に改編された。しかし、寒冷化や移民の動乱を経験していない日本では、大陸の状況に合わせた律令は必ずしも適応しなかった。中世になると、武家政治が形成され、律令体制から離れる動きが見られた。
  • 13世紀のモンゴル帝国の台頭と温暖化の影響は、遊牧国家の強大化を促し、その圧力が日本にも及んだ。しかし、日本は「蒙古襲来」を撃退し、大陸の動きから独立した道を歩んだ。
  • 14世紀には寒冷化が進み、世界全体が疫病や不況に見舞われた。この時期の動乱は、明清交代や戦国時代などに影響を与えた。16世紀以降の大航海時代は、環大西洋革命や産業革命の幕開けであり、日本にもその影響が及び、近世への転換が見られた。
  • これらの歴史的な流れを理解するためには、日本史を中国や東アジアの歴史と関連付けて考えることが重要である。東洋史の視点から日本史を再評価することにより、日本の位置づけが世界史の中で明らかになる。