今日はビデオニュースで本田由紀氏をゲストに招いた以下の番組を視聴した。

 

まずは今の日本がどんな国になっているかを知るところから始めよう 
ゲスト:本田由紀氏 
https://www.videonews.com/marugeki-talk/1136

 

主に教育や仕事の在り方の側面から、データから見える日本が抱えている問題点、そして問題への対処方法について議論され面白かった。

本田氏はこの分野で長く研究をされてきたのであろう。彼女が気持ちを込めて、この問題に取り組んでいることも伝わる内容だった。

少し気になったのは、日本の現状や自民党への批判一辺倒すぎて、味方が極端に捉えられてしまう可能性がある点である。プレゼンの仕方として、ある程度バランスよく状況を伝えた上で、最後に言うべきことを言うというスタイルにしないと、折角の彼女の有意義と思われる提案も取り上げてもらえないのではないかと思った。

 

彼女は研究者であり、権力がない。彼女が考えていることを具現化するためには時の権力者に理解してもらい、実行してもらう必要がある。権力者の不都合なことを最初から並べ立てても採用してもらえない。彼女の信条が許さないところはあるかもしれないが、ぜひ実利を取るべく、実際にどうしたら具現化できるかを一緒に考えてもらえるような協力者・アドバイザーがつくべきと感じた。

 

彼女が最後に説いていたモデルは納得感があった。

日本は戦後にアメリカの後押しもあり、「戦後日本型循環モデル」という企業と家族と教育が相互にニーズを満たし合うことで、政府の公的支援を受けずに社会が自動的に回っていくような仕組みがうまく機能したという。このモデル自体、家庭内での母親の無償奉仕や父親の社畜化を前提としていたり、子どもの詰め込み受験勉強から来るプレッシャーやストレスが無視されるなど、実際には多くの矛盾や歪みを孕んではいたもの、1965年以降の高度成長期からバブル崩壊までは、このモデルが上手く機能し、日本の高度成長を下支えしてきた。しかし、これは政府が本来行わなければならないセーフティネットの整備や家族や教育に対する公的支援をサボることが許されてきたという。

 

時代は代わり、先に触れた負の側面が顕著になる形で、この「戦後日本型循環モデル」はもはや破綻していると本田氏は言う。そして、それに代わる「新しい循環モデル」を作っていく以外に、問題を解決する方法はない、と。その新しいモデルの特徴は、政府はセーフティネットとそのアクティベーション(機能を有効にすること)に責任を負うとともに、これまで一方向だった企業と家族と教育の関係を双方向化していくというものだ。

 

つまり、政府にはより当事者として介入してもらわないといけない、ということだ。これには前述の通り、政府による支出なり法整備が必要になる。権力者に動いてもらわないといけない。ぜひこれを具現化させ、日本を救うための動きにしていきたい。