漠然と多くの人が悩んでいそうなことを、

論理立てて整理し、さらにはフレームワークを使いつつ、

個々人の悩みを解消するための答えに辿り着こうとする。

 

著者自身も、過去に自身の「やりたいこと」がなんのかがわからず悩み、

考え抜いた末に編み出した手法なのだろう。

その苦闘・苦悩がよくわかる内容だった。

 

本書にも書いてある通り、スパッと「やりたいこと」の答えが出てくるわけではなく、

一旦仮の答えを出した上で、それを試してみて、違うと思ったら修正して、という

いわゆるPDCAを回しながら本当の答えを探し当てなければいけない。

根気が必要だが、それぐらい気概がないと、多くの人にとって解消しえない難しい問題と言える。

 

本書の中で印象的だった文章は以下:

 

「あなたが今「やりたいこと」が分からず迷走しているとしたら、それは自分と向き合うのをずっと先延ばしにしてきたからです。」

「ここで考え方を根本的に変えましょう。将来のために可能性を残して生き続けるのはもう終わりにしましょう。将来のためではなく、今一番やりたいと感じることを見つけて取り組んでください。将来のために生きるよりも、今一番やりたいことに本気で向き合っているうちに、ずっとあなたは成長します。」

 

著者より気合の入ったメッセージとなっており、

多くの人が自分の本当に「やりたいこと」に取り組むことで活気のある社会になり、

皆が豊かな人生、悔いのない人生を送れるようになってほしい、と願っているのだろう。

 

自分自身も本書を手にとったのは、

今仕事でやっていることが、本当にやりたいと思っていることに沿っているのかがわからなくなっていたからだ。

どのように順序立てて考えれば、「やりたいこと」の答えが見つけられるか提示してくれており、とても参考になった。

あとは根気が必要になるが、自身の「大事なこと」「得意なこと」「好きなこと」を洗い出して、

うまくその答えを導き出したい。

現実的な問題として、今抱えている仕事の兼ね合いをどうしても考えてしまうし、

「やりたいこと」を見つけたとして現実的な選択肢が本当にあるんだろうか、

と取り組む前にいらぬ心配をしてしまうのだが、

それらは言い訳でしかないので、一度最後まで、まずはやってみたい。