高校受験、大学受験がひと段落ついた時期でしょうか。
受験生の皆さん、お疲れ様でした。
志望校に合格した子にも、
志望校に不合格の子にも言いたいのは、
人生の道と言うのは、
ひとつではありません。
将来就きたい仕事をする、
やりたい仕事につく方法も、
ひとつではありません。
希望通りの道に進んでいるから、
将来仕事で大成できるかも、
確証はありません。
志望校に不合格だった子、
滑り止めの高校になんか行きたくない・・・
と思っている子も、
中にはいるかもしれません。
人生には、輝かしい晴れの時期もありますし、
雨の時期もあります。
暴風雨が吹き荒れる、
嵐の時期もあります。
特に、自分がどうにもできない、
ぽっきり心が折れてしまった嵐の時は、
嵐が過ぎ去るまで、
じっと安全な場所で休むのが大切です。
そうしたら、
折れてしまった心も少し癒え、
また歩き出そうとすることができます。
挫折では人は死にません。
でも、もうこれ以外の道はないのだ、
自分の道は閉ざされたのだと思い詰めてしまうと、
心と体は重傷を負ったまま、
回復はしません。
こんな話があります。
伊勢湾台風の時、ちょうど現地に居た
外国人の手記に、このようなことが書かれていました。
聞いた話を書き起こしているので
引用ではないのですが、
大まかにはこういう内容だったと覚えています。
「日本人は、家が沈んでも、
道の大半が川になっても、
陽気に、笑いながら、
どうにかなる、どうにかなる、
と朗らかな日常を送っている。
この悲惨な光景の中で、
朗らかに日常を送る
日本人の精神と言うものは
目を見張るべきものがある」
きっと、伊勢湾台風に直面し、
家が沈んだひとたちは、
内心は穏やかではなかったでしょう。
でも、悲観していても、
人生は何も動かないので、
どうにかなる、と言い聞かせながら
なるべく心良く日常を送る。
そうしていると、物事が少しずつ動き出し、
どうにかなってゆくのでしょう。
このお話は本物の「嵐」の例ですが、
人生の嵐でも、同じことがいえると思います。
大学の恩師の言葉で、
今にも胸に残っている言葉があります。
人生には何回か嵐が来る時がある。
そういう時は、家に閉じこもって、
岩陰に隠れる魚のように、
じっと息をひそめて休みなさい。
そうすると、嵐は去っているから。
嵐が去ったら、
外は晴れているから、
またゆっくりと、一歩ずつ、歩き出しなさい。
うまくいった人も、
行かなかった人も、
皆さん、お疲れ様でした。
まずは、暖かい家の中で、
春を感じながら、
ゆっくり自分を労わって、
休んでください。
