会津 里花(1982頃)

 

寝惚けた眼(まなこ)の男が一人 ギターを抱えて 歌ってる
男の後ろは壁 前は舗道 コンクリートの間で
  人々は通り過ぎていく 誰一人 見向きもせず
  それでも 男は歌っているよ 壁と舗道の間で


男の夢は この世でいちばん いい歌を歌うこと
けれども この余波 厳しすぎて 彼の夢は破れた
  人々は通り過ぎていく 誰一人 見向きもせず
  それでも 歌う男の歌を 壁と舗道が聞いてた


男の前に小さな花が咲く 舗道の敷石の間に
男は花に歌を贈った 彼の夢の花に
  人々が通り過ぎていく 誰一人 見向きもせず
  毎日続く 雑踏の中で 花はしおれていった


ある日 寝惚けた男は死んだ ギターを抱えたままで
人々はやっと彼に気付き 共同墓地に 埋めた
  歌声が響いてくる 男のうたった歌が
  壁と舗道が歌っているよ 男の見た夢を

  壁と舗道が歌っているよ 男の見た夢を


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この曲も、古いオリジナルの中では割とよく歌うほう。

歌詞がクラい…… 実は「録音」のことを歌っています。

作詞:渡邉 敦  作曲:会津 里花(1982)

 

グラスの氷が溶けて 水割りが薄くなる
タバコの煙が目にしみて 涙がこぼれるのは あんたのせい

あんたの目はあたしを好き と 言ってくれるのに
あんたの口はグラスにかくれて あたしには見えない

Swingのリズムに合わせて グラスが傾き


 "I love you to smile
 Please share with me while
 Tell me what's wrong with you."
 You said, "Nothing."

グラスの氷に愚痴をこぼして
I said nothing to you.

Interlude



あたしはグラスに夢を語り 子どもに還ってく
あんたは笑って 昔のサインで 「さよなら」を 言った

Basieのリズムに合わせて グラスを飲みほし


 "I love you to smile
 Please share with me while
 Tell me what's wrong with you."
 You said, "Nothing."
グラスの氷に笑いかけて
I said nothing to you.


I said nothing... to you.

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わたしが今よく歌っているレパートリーの中で唯一、自分の作詞ではない曲。

作詞者はその後出家しました(笑)

実はいちばん評判がいい?

ベース伴奏もウケがいい?

……「自分ではない」部分がウケるところに、ちょっとヘコむけど、まあ、人間ってそういうものなんでしょう(笑)

実は他に「ギターVer」も「一五一会Ver」もあるんです。

作詞・作曲:ヤキ & ネコ(1980年頃)

ある日 僕は 旅に出た 海を見に 旅に出た

白い砂浜の向こうに 真っ青な 海が広がる という・・・

それを確かめるために 僕は 旅に出た


僕の町は 工場の町 冷めた空 枯れた草

線路が空を越えたなら 命がよみがえる だろう・・・

青い海を求め 汽車は 走ってく


= Interlude =


そして 僕は 海を見た 赤いまだらの 海だった

死んだ魚(サカナ)が打ち上げられて 油の下で海は 眠る・・・

これが海なのだとは 僕は 知らなかった


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サークルの「集団創作」で出来た歌。
わたしは「自分が作った」と思っていますが、みんなはそうは思っていなかったみたい。本当はどっちだったんだろ?
「赤潮」のことを歌った歌です。