ニューウェーブ4人衆 その2 | Cobalt Blue

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CDやレコードのお話

 
 MODERN WAVE II 新たなるメイン・ストリーム (analog LP) (1983)
前回の東芝EMIプレゼンツ、ニューウェーブ4人衆によるコンピレーション・アルバム MODERN WAVE の第二弾 MODERN WAVE IIです。
なんというか全然ひねりのないタイトルとジャケット、でも中味は充実しています。80年代初頭の「あの頃」を詰め込んだ、稲垣潤一の "エスケイプ"から始まる新たなAORの世界です。稲垣潤一と言えば、名作 "246:3AM" と "ロング・バージョン"。
で、"ロング・バージョン" と言えば安部恭弘に繋げたいところです。
安部恭弘のスムーズ、ソフトな男の色気を漂わせるボサノバ 2バージョンと透き通った硬質な声をアンニュイな雰囲気で包み込んだ稲垣バージョンの聴き比べがたまりません。
・・と寄り道したところで、今回は前回の鈴木雄大の続きです。




 

  
鈴木雄大 - レイニー・サマー (analog EP) (1983)
出ました!レイニー・サマー。先ほどのコンピレーション・アルバム "MODERN WAVE II" には、"WOO" とこの "レイニー・サマー"が入っています。

ボクは自由が欲しい、キミは愛が欲しい、香るのはキミの残したクチナシの花、そうして男と女はさまよい歩く (要約)

AORなのかフォークなのかロックなのか、はたまた演歌なのか。ボサノバベースで仕上がったキャッチーなメロディに鈴木雄大のハスキーで高い声が合っています。何故か繰り返し聴きたくなる名曲と言っていいでしょう。





 
鈴木雄大 - YUDAI (analog LP) (1983) 表ジャケット
そのレイニー・サマーが入ったセカンド・アルバム "YUDAI" です。
エレキギター少年アイドル系のイメージでしょうか。



 
鈴木雄大 - YUDAI (analog LP) 裏ジャケット
A面一曲目、トップバッター "MIDNIGTH CHANCE"は、ジャケットの雰囲気通りのロックですが、代表曲 "レイニー・サマー"はフォークの色合いが濃い曲です。
この時点では鈴木雄大がどの方向に進むのか、よく分からない感じです。
サード・アルバムはミニアルバムですが、それを最後に東芝EMIからファンハウスに移籍します。





 
 鈴木雄大 - STREET OF ECHOES (1987)
ファンハウス移籍後の二作目、通算5作目のアルバムです。
このあたりから鈴木雄大の見据える方向が明確になってきます。
A面一曲目、"SOMETHING NEVER CHANGE" は、やりたかったのはこれか!と納得の、超進化した鈴木雄大の世界が広がります。

Something will never change
うつりゆく時の中でも
Something never change
変わらないものを いつか見つけたいよ

Maybe It's love, Is that love? What is love?
I'm going round & round & round &round
Maybe It's love, Is that love? What is love?
また歩き出すよ

このリフレイン、とくに叩きつけるような後半の英語フレーズが鳥肌モノのファンクです。



 


  
鈴木雄大 - SHOES ON MY SOUL (1988)
超進化した "STREET OF ECHOS" に続くファンハウス移籍後第二弾のアルバムがコレ。
鈴木雄大超進化の最終形態と言っても過言ではない "SHOES ON MY SOUL" です。
SOULと言いつつ、この鋭さ、毒気、どう聴いてもファンクです、有難うございました。A面一曲目、というか前作から世の中はCDに移行してきていますので冒頭1曲目の "Twilight Zone" で、前作 STREET OF ECHOESの一曲目 "SOMETHING NEVER CHANGE" で感じたあの「来た!」感覚を再び覚えるわけです。このアルバムが凄いのは前作を超えて多層的で、6曲目の "Nobody but you"、7曲目の "東京" で畳み掛けるように鈴木雄大のファンク世界が展開します。