2008.04.05 (9日目)   愛知県名古屋市



愛知県に入り、ひたすらのんびりと走った。


愛知県では名古屋城を見れればそれでOK。


そんな気持ちでのんびりのんびり走っていた。




名古屋城近くまで来てとりあえず休憩。


そして本題の名古屋城へ。


入場料800円・・・。


『ふざけんな名古屋市!城を見るだけで何でそんなに取られなきゃならんのだ!!』


怒りは腹の内に留めて城を遠巻きに見て退散。・・・くそぅ。




三重に向かって走って行くも、日が暮れ始めテントを張る場所を見つけなければマズイ時間帯になる。


暗いなか大荷物を持って走り回るのは危険だし、何より暗がりでテントを張るのはシンドイことこの上ない。




焦りながら自転車を漕いでいると、川沿いにおっさんが立っているのを発見。


ちょうどいい!!


そう思い、おっさんにテントを張れる場所がないか聞いてみる。


おっさんは丁寧に分かりやすく、テントが張れそうな広場を紹介してくれる。




おっさんが紹介してくれた場所にテントを張り夕食を作っていると、おっさんが奥さんを連れてやってきた。


「様子見にきたわぁ」


そんな調子で言ってくるおっさん、少し酔っ払っているらしい・・・。


おっさんは奥さんに合図して、ビニール袋を手渡してきた。


袋の中にはインスタントラーメンやおにぎり・サラダ・お茶等の食糧が入っていた。


どうやらおっさんは奥さんにおれのことを話し、わざわざコンビニに食料を買いに行ってくれ、テントまできてくれたそうなのだ。


まさかたった少し話をしただけで、こんなに良くしてくれるとは・・・。



食料を頂けたのは当然うれしいことだったのだけど、それ以上に嬉しかったのは、おれを認めてくれたこと。


旅をしていると冷めた目で見られることがかなり多いことに気づく。


それは当然の反応だと思う。


仕事も勉強もせずに旅をしているのだから、仕事や勉強を頑張っている人から見たらイラつく対象になるのだろう。


でも、おっさんはそんなおれを見て


「がんばっている」


と言ってくれた。


その言葉だけで満足だった。




夜はそのおっさんの優しさのおかげでグッスリと眠れた。

2008.04.01~2008.04.04   静岡県浜松市~愛知県蒲郡市



朝8時に起きて、ブログを書いたり荷物を整理したりした後に自転車屋へ行き修理の依頼をしに行く。


「早くて3日で直ります」


というわけで、3日間浜松の先輩宅でお世話になることに。




先輩は当然、仕事があるので昼間は単独行動に。


せっかくなので、浜松城や中田島砂丘などを3日間じっくり時間をかけて観光してみた。


なんというか、どの観光地も《観光向けに作られた施設》という感じがして中途半端な感動しかできなかった。




夜は基本的に先輩と家で食事か、先輩の飲み仲間と一緒に飲み会に参加していた。


みんなとっても良い人達で


『おれ、ここに住みたい』


と思ってしまうほどに暖かい人達だった。


ただ、浜松で送っている生活は先輩の生活に入り込んでいるだけであって、おれの生活ではない。


そう思うと『早く旅を再開しなければ』という気持ちになってくる。




4月3日、やっと自転車の修理が完了する。


修理が終わったのは夕方5時頃だったので、そのまま旅立つわけにもいかず浜松にもう1泊することに。




4月4日、再出発。


名残惜しいと思いながらも、浜松を後にする。


予定では浜名湖をグルっと1周してから本格的に愛知へ行くつもりだったが、変更。


『このまま静岡県にいたら寂しい思いがつのるだけ!!』


そう思い、『えいやっ!!』という思いで愛知県に突入。


浜松では今まで当然のように過ごしてきた楽しい日々の尊さ・大事さを学んだ氣がする。


友達と遊ぶときなんかは全く考えていなかった事だけれども、それはとても貴重で、奇跡的に素晴らしいことなんだと感じた。




文章力が稚拙でおれの感情の半分も伝わらないかもしれないけど、浜松では生活の尊さというものを感じた。

2008.03.31 (4日目)   静岡県浜松市




朝9時、井筒監督と松山千春に朝食(ライス・納豆・卵・味噌汁・豆腐)をご馳走になり、雨が降りつつも出発。


「今日中に浜松まで行きたい」その一心でべダルを漕いだ。


浜松までは約120km。チャリダーが1日に走れるのは100km前後が一般的。


明らかにオーバーワークになるけれども、浜松在住の大学の先輩と31日の夜には着くと約束しているので何としても今日中に着きたかった。



道中、懐かしい道を走った。


大学3年生の夏休みに車で下関まで行く、という旅行で通りがかった道だった。


しかも軽く迷子になっている時にその道に出たからテンションが異常なほどに上がった。


その道に出れたおかげで、道を思い出し思い出しながら走り、やっとのことで迷子から脱出することが出来た。


この時分になってくると雨もあがり快適に走れるようになった。



これなら予想通り5~6時間ぐらいで着くかも。



でも、人生そんなに甘くない。


国道一号線をずーっとまっすぐ行けば浜松だけど、バイパスがあまりに多い。


やむなく国道一号線を外れ、迂回をしようとするけれども、特技の方向音痴を凄まじく発揮して迷子になる。


迷いに迷って、やっとの思いで国道一号を見つけ出す。


バイパスや歩行者・自転車進入禁止の道路に出る度にそれを繰り返す。


結局、合計3回それを繰り返し、浜松に着いたのは9時過ぎ・・・。


12時間も移動に使うとは思わなかった・・・・。



浜松駅に着いてから大学の先輩と合流。


先輩は職場関係の人とバーで飲んでいたので、そのバーへ行くことに。


なんだか、オトナな雰囲気のバーでビールやカクテルを飲みながら談笑。


旅をしているから当然なんだけど、初対面の人と酒を飲む機会が多い。


っていうか、2日連続とは予想だにしなかった。



そのバーでの飲み会は3杯でお開きになり、1時ごろ先輩の家に帰る。


そして、風呂に入らせてもらう。


正直に書くと、2日ぶりの風呂だった。


果てしなく気持ちよかった。もう倒れてしまうんじゃないかってぐらいの気持ちよさだった。



その後、疲労と飲酒が手伝って泥のように眠った。


P.S  登呂遺跡には時間の関係で行けませんでした・・・。