大変にお恥ずかしい話なのですが、

正直に告白いたしますと、

わたくしはずっと8の字を鏡写しに

書いていました。

 

鏡写しとは、鏡に映したように左右反対に

書いてしまうことです。

 

8の字は丸が二つ乗っている形で、

鏡写しにしても同じ形に見えるので

なかなか自分が鏡写しに書いているか

分かりにくい文字ではあると思います。
 
おかげで長年、全く気がつかずに、
そして誰からも一度も指摘されずに
過ごしてきてしまいました。
 
 

わたしがこのことに気がついたのは、

就職してしばらくしてからのことなので

24歳くらいの頃だったかしら?

 

人事に提出する休暇願いだったか、

出張旅費の精算だったか忘れましたが、

その用紙はコンピュータが読み取れる

OCR文字で数字を書く必要がありました。

 

これ、知っている人はある程度の年代の

方だけかと思うので、少し詳しく説明して

おきますと、

 

コンピュータで読み取れるようにするには

文字を画一的に書かないといけないのです。

 

で、そのコンピュータで読み取りやすい

数字ってのがOCR文字というわけでして、

英語でいうとブロック体みたいなものかな。

 

筆記体では当然、コンピュータには

読み取りにくくて、

 

でも、ブロック体でもちゃんと

この形でないと!という指定が

あったのですよ。

 

 

で、そのOCR文字の書き方が用紙には

書いてあって、

 

それが丁寧に書き順まで記されていて、

 

おかげで初めてわたしは自分が今まで

8の字を反対に書いていたことに

気がついたのであります。

 

 

 

 

こんな基本的なことを20年以上も

まちがって書いてきたなんて。

 

そう思うと、顔から火が出る程、

恥ずかしかったのですが、

 

すぐに改めまして、今ではもちろん、

ちゃんとした書き順で書けるように

自分の無意識な記憶部分までしっかりと

上書きしております。

 

なので、現在は逆に鏡文字で8を書くのが

いきなりだとできないくらいです。

 

 

さて、では、なんでわたくしは8を

鏡文字で書いていたのでしょうか?

 

それは恐らく、とてもいい加減に

覚えていたからだということは

間違いないのですが、

 

では、なぜいい加減に覚えていたのでしょうか?

 

 

心当たりが一つあるのですが、

それは幼稚園の終わり頃、先生から

五十音や数字を急に覚えさせられた

という記憶です。

 

恐らくあのとき、わたしはある程度、

覚えたんでしょうね。

 

で、その結果、小1で習うときには

既にある程度できていたのだと

思うんですよ。

 

 

このある程度できていたってのが

実は一番の曲者でして、

 

むしろ何もできずに入学した方が

いいくらいだったのです。

 

 

これはわたし一人の話ではなくて

元教員だった妻も同意しているのですが、

 

なまじ未就学児に文字や数字を覚え

させると、小学校で教えることを

舐めてかかり、

 

結果、わたしのように正確に覚えない

ままになってしまうことがあるんです。

 

 

むしろ未就学児にはそんな余計なことを

教え込まない方がよく、

 

小学校で効率よく順序だって教えていく

カリキュラムに従った子の方がかえって

覚えが正確でよかったりするんです。

 

今の若いお父さんやお母さんは妙に

教育熱心な人が多いようで、文字や数字

どころか、英語まで早くに教えようと

しますが、これ、実はあまり良い効果は

もたらしませんよ。

 

未就学児にはたくさん遊ばせてあげましょう♪

その方が後の人格形成に大切ですからね。

 

 

話が横道にそれましたが、

 

さて、こんな風にわたしは正規教育を

受ける前にプレ教育でなまじ覚えさせ

られたがために、8を鏡文字で記憶した

と思えるのですが、

 

では、なぜわたしは鏡文字で覚えて

しまったのでしょうか?

 

ここまでで思考を止めてしまう人も

多いと思いますが、わたしはとことん、

物事を突き詰めて考える主義なので

もう少しお付き合い下さい。

 

 

それは、わたしが元々、左利きだった

からではないかと思われます。

 

左利きの人が幼い頃に鏡文字を書いて

しまうっていうのは実はよくある話です。

 

ただ、問題はわたしが鏡文字にしたのは

8だけで、あとは普通に書いていたということです。

 

鏡文字にしちゃうなら、きっと他の字も

そうしたに違いありません。

 

でも、なぜ8だけが鏡文字になって

しまったのでしょうか?

 

 

それはわたしがこの当時、すでに右手に

矯正されていて、隠れヒダリアンになって

いたからではないかと推察されるのであります。

 

右利きとして生きることにしたけれど、

しかし、持って生まれた左利きという

性は根本的な部分では変えることが出来ず、

 

おかげで鏡文字で書いてもバレにくい

8だけはうっかり左利きの癖が出てしまい

間違った書き順で覚えてしまった。

 

これがきっと真相に違いありません。

 

 

まぁ、だからどうということもない
お話なんですが、左利きを右に矯正する
ことの脳への不具合はいろいろあって、
 
その一つがもしかすると8の字の書き方に
現れるのかもしれないと思うと、
 
これもまた隠れヒダリアンかどうかを測る
物差しの一つになるのかなと思って筆を執った次第です。
 
 
もしわたしと同じように8を鏡文字で
書いている人がいらっしゃったら、
その人は元左利き!?
なのかもしれません♪