というわけで今日から公開された映画「バビロン」観て来ました。
公式サイトより抜粋
『ラ・ラ・ランド』の監督最新作の舞台は、ゴージャスでクレイジーなハリウッド黄金時代。豪華なファッションに、ド派手なパーティ、規格外の映画撮影に、熱狂的ジャズミュージックが、観る者の感性を刺激する。主演には、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーを迎え、激動のハリウッドで夢を叶えようとする男女を演じる。
※以下ネタバレあり
とにかく冒頭の象の糞から始まり猥雑で下品なセリフや言動の多いパーティーシーン(おっぱいポロリはもちろん男性器を模したものやボカシの入った性交シーンも!)、暴力的なシーン、大勢のエキストラを使用したり何度も撮り直しをしたりと今のコントでも使われそうなくだらない撮影シーンが多かったけど、この手の映画が好きな人にはたまらないんじゃないかと。主演のブラッド・ピットとマーゴット・ロビー。そして真の主役ともいえるべきディエゴ・カルバの好演はこの映画のマテリアルを何倍にも楽しくさせている。ブラピは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」でもそうだったけど大御所なのにちょっと情けない感じの役やらせたらホント上手いよね。マーゴット・ロビーはまさに色気と愛嬌に狂気を感じさせるほどの”ザ・女優”的な体当たり役は素晴らしかった。ディエゴ・カルバは異国から来たまさに一途な好青年役が素晴らしい。最後まで生き延びるのは彼だけなんですが、何だか最後の彼の流した涙はあの二人への謝罪と感謝の涙なのかもね。
他にも脇を固めるゴシップ編集屋役のジーン・スマートやトーキー映画で成功を収めるジャズ・トランぺッター役のジョヴァン・アデポ、謎の中国系妖艶レディのリー・ジュン・リー、そしてマフィアの大ボス役のトビー・マグワイア(怖かったぁw)などなどそういった人たちも印象的で、深く掘り下げていない分ちょっと考えさせられたりとまぁ何度見せようとさせる仕掛けもイイ感じの落としどころ。ちなみにレッチリのフリーも撮影スタジオの重役役で出演しています。
とまぁ3時間と長丁場の映画なんですが、連続ドラマをイッキ見したような感覚であっという間でした。作品の時代考証や細かいことは抜きにしてもあの下品さが許容できれば楽しめるんじゃないかと。1世紀も前のハリウッドの闇や醜態を描くことはリスキーではあるものの、デイミアン・チャゼル監督のやりたいことがたくさん詰まっており、いわずもがなの音楽のセンスの良さはもとより、映画業界ではなく映画そのものへの愛情が伝わって来ました。