☆『愛と誠』紛失原画落札、オークション運営元・まんだらけが声明 「問題になること自体に違和感」 講談社を批判・・・・・・ヤフーニュース(ITmediaニュース)からですが以下抜粋
1970年代に『週刊少年マガジン』に掲載された名作漫画『愛と誠』(梶原一騎さん原作、ながやす巧さん作画)の原画のうち、講談社が外部に貸し出した後、行方不明になったうちの1枚が、まんだらけの運営するオークションサイト「まんだらけオークション」に出品・落札され、講談社が「購入しないでほしい」と呼び掛けていた件について、まんだらけはこのほど、Webサイトで声明を発表した。 声明でまんだらけは、「オークションにかけられた原稿が紛失したものかどうか特定できていない」「今回の件が問題になること自体に違和感がある」とし、「原画を紛失した出版社の問題」などと講談社を批判している。 また、ながやすさんの妻・永安福子さんが現在の心境を漫画『壬生義士伝』のWebサイトで発表。「オークションが終わったあと、巧も私も毎日落ち込んでいる」などと落胆をつづっている。 愛と誠は、テレビドラマ・映画化もされた大ヒット作品。原画はながやす巧さんが自身で管理し、譲渡・売却したことはないという。講談社によると連載当時、少年マガジン編集部から原画を外部に貸し出す機会があり、行方の分からなくなったものがわずかにあるという。 その1枚とみられるカラー原稿が、オークションサイト「まんだらけオークション」に出品され、5月6日に400万円で落札された。講談社はこれを受けて10日、「オークションや漫画専門店などの店頭で『愛と誠』の原画を目にされることがあれば、それは紛失もしくは盗まれたもの」だとし、それらの原画を購入しないよう、また、見つけた場合は少年マガジン編集部まで連絡するよう呼び掛けていた。 まんだらけは19日までに、この件についての声明をWebサイトに掲載した。声明によると、まんだらけには、オークション前に、作家側の代理人と出版社側から、「1975年に15枚の原稿を紛失した」とし、その原稿の1枚がオークションにかけられたものだとの説明があったという。まんだらけは「紛失原稿がその15枚だけなのかを確認して連絡がほしい」と代理人に4月29日に返事をしたが、回答はなかったとし、「オークションにかけられた原稿が紛失したものかどうか特定できていない」と主張する。 その上で、「今回の件が問題になること自体に違和感がある」「出版社サイドから流出したものでならそれは出版社の問題」と主張。講談社のニュースリリースを引用した上で、「(講談社が)本当に反省しているならオークションで落札して作者に返すべきでは」「それを何の非もない弊社や購入者を責めるような文章は、幼い責任転嫁以外の何物でもない」と強く批判している。講談社はまんだらけの声明について「コメントできない」としている。 また、『壬生義士伝』公式サイトでは、「今回の出来事について、ながやす巧さんは心労で体調が悪化した」とし、妻の永安福子さんが、現在の心境を発表。その中で、『愛と誠』について「巧と私の大切な子供」と表現した上で、「オークションにかけられた原稿が、400万円という途方もない金額で落札された。私達の子供なのに手の届かないところへ行ってしまった。悲しくて胸がつぶれそうだ。オークションが終わったあと、巧も私も毎日落ち込んでいる」などとつづっている。まず、作者としてはとても辛くいたたまれない気持ちなのは分かるのですよ。でもそのなぜそのような大事な原画をどのように紛失してしまいそのまま放って置いたのかが分からないのです。もっと早く被害届を出さなかったのか。
そして他人事のような出版元の講談社。おそらく紛失したとすればはここの社員としか思えないんですよね。たとえば借金返済のためとか。また盗まれたとしてもなぜ被害届を出さなかったのか。まぁおそらく無くなったことにしばらく気がついていなかったとか、70年代だとすれば管理が杜撰だったことは容易に想像できます。
その証拠に今回まんだらけはこの原稿の確認を講談社に取っているそうです。しかし回答はなかったのこと。上記の話によるとこの「愛と誠」の紛失原画は複数枚(15枚)あるそうでそれは確実な内容も枚数も確認しようのないものなので講談社の管理外の原画という事になるそうです。で、コレはその管理しきれていなかったのうちの1枚だったようなのですが、当然ながらその15枚のうちの1枚という確認しようがないもの(15枚以外のものかも知れないことも考えられるため)なので盗難被害届も出せないという事のようです。
まぁ、つまりは原作者が「あれは私の原稿だ」といって講談社に訴えたものの講談社としてはそれが本物かどうか確認のしようがないので「あれは紛失した物っぽいから買わないでね」とまでしかいえないのです。
原画をきちんと管理していなかったことが悔やまれますが、まぁ当時は漫画なんて芸術的にも文化的にも低く見られていたものですから、扱いもひどかったことは良く聞く話です。ちょっと話は逸れますが、昔赤塚不二夫先生が描いた原稿を出版社の編集さんが紛失してしまい、正直にそのことを赤塚先生に話したところ、赤塚先生は怒るどころかもう一度描き直してくれたという逸話を思い出しました。まぁ赤塚先生は情に厚い人でしたからね。まぁ考え方はアレですが、同じ漫画でも「一所懸命描いた」という人と「漫画なんて何度でも描いてやるよ」という人の違いでしょうか。それを出版社の人間が「どちらも同じ漫画」として考えて扱ってしまったことに問題があるような気がします。
話は逸れましたが今回の問題はいずれにせよ原画を管理していたはずの講談社に責任が問われると思います。まぁ責任といっても当時のことを知る人間も少ないでしょうし、そもそも現在管理外のものですから誰に責任を取れといっても該当者がいないですからね。少なくともいくらでもいいからあの原画を落札して作者に無償で返すべきでしたね。それも出来なかったのはその原画が本物であるという確証が出版元でも出来なかったからに他ならないですが。
今回またまんだらけは悪いイメージが付いてしまいましたが、まぁまんだらけも古物営業法を遵守していてなおかつ講談社にも確認をとっているわけですから何の落ち度もないんですけどね。一番の被害者。今回の問題は感情的には作者に返してあげたいのは非常に分かるのですが、日本は法治国家ですからちゃんと法律関係を勉強していればこういったものでもそう簡単には返せないのはすぐ分かりますよ。
ていうかこんなに問題になっているその原画を落札した人間が気になるわ。その人が無償で作者に返してあげれば一番いいんですけどね。まぁ、それも難しいのかな。