
今年1発目のCDは昨日発売されたMEGADETHの新作「DYSTOPIA」を。
Dystopia 01. The Threat Is Real 02. Dystopia 03. Fatal Illusion 04. Death From Within 05. Bullet To The Brain 06. Post American World 07. Poisonous Shadows 08. Conquer Or Die! 09. Lying In State 10. The Emperor 11. Foreign Policy 12. Me Hate You (Bonus Track)
前作「SUPER COLLIDER」から約2年半、通算15枚目のオリジナルアルバム。
昨年がデビュー30周年だったこともあり昨年に出ていてもおかしくなかったのですが、一昨年に前任のギターとドラムスが脱退しマーティ・フリードマンとニック・メンザを呼び寄せて90年代の黄金期のラインナップで活動を計画していたらしく、話までは持ち上がったものの結局お互いの都合がつかず頓挫。その後新たなギタリストにANGRAのキコ・ルーレイロ、そしてドラムスにLAMB OF GODのクリス・アドラーを迎えて製作されたのが本作。
昨年の来日時に記念盤として出されたEPに「Fatal Illusion」がまずありましたがあの楽曲だけからは想像はあまりできなかったところが本音ですが、実際に完成されたアルバムは非常に素晴らしい内容でした。
1曲目の中東風の旋律から2曲目のメロディアスなリフなどアルバム前半は名作「RUST IN PEACE」やリフ中心初期のアルバムを想起させますが、後半はメロディアスな楽曲重視の90年代の作品群を想起させます。総じてこれまでの様々なエッセンスが散りばめられておりいわば美味しいとこ取りなここ数年ではさらに吹っ切れた内容。おそらくこのアルバムデイヴ・ムステインが目指していたものは原点回帰と集大成ではないかと。
期待されていたキコのギターは非常にテクニカルで華があり、マーティの持っていたそれと非常に近いものがありますが、嫌味なものではなくむしろリスペクトに近い形のプレイに徹しているのが非常に好感が持てます。逆にいえばキコらしさがあまり出ていないところがちょっと残念ですが、アコースティックサウンドやネオクラシカルなプレイはデイヴの思想に肉付けするような形のいわばアシスト的なポジションがまたバンドのサウンドとしては格段に向上させている。そこが華でありデイヴが欲しかったギターサウンドだったのでしょう。
またドラムスのクリスも非常にタイトで手数の多いテクニカルなプレーヤーでこのサウンドに負けないまたデイヴ・エレフソンとの相性も良いリズムセクション。これも良い人選だった。前任者には悪いがやはりこの2人くらい名実あるプレイヤーでないとバンドサウンドの釣り合いが取れないのがハッキリと分かった。
このアルバムを聴けばMEGADETHとはどんなバンドであるかという事が端的に分かるという内容。もちろん楽曲面での完成度という意味では全盛期のものよりはインパクトはないが、メンバーが変わったことで全盛期の空気感が甦りまだまだ上積みが出来ることも考えられる。そういった意味では現在進行形の現役最強のバンドであることもまた長年のファンからしてみれば嬉しいことである。
タイトルは「DYSTOPIA(暗黒郷)」だがデイヴの「UTOPIA(理想郷)」にかなり近づけられた作品ではなかろうか。新年1発目から今年のベストアルバムの1枚になろうとは(^_^;