ドリフは私らの世代にはお笑いだけでなく文化としてもすごく染み付いている人間が多い。それはドリフメンバーの分かりやすい役割分担である。まずいかりやという絶対的権力者(=悪者)が上にいてその下にダメながらも個性的なメンバー4人(デブ、メガネ、お調子者、バカ)というどこにでも居そうな親近感の沸くキャラ。その4人が絶対的権力に歯向かうという社会の縮図を見ているようでさらに親近感が沸く。コレだけでもコントの要素半分が出来上がっている。そのメンバーと台本の加減乗除でドリフのコントはいろんな世界が作り出されることが可能だったのだと思う。またコレがまね出来ないからいまだに人気があるんですよね。
今のお笑い芸人がこういうコントをすると二番煎じだしどうにも嫌味が出て笑いにならないことが多い。今いる芸人ではウンナンの内村がこの線で一番頑張れるんだけどドリフほどの過激さが足りない。かたやダウンタウンの松本はその逆でドリフほどの安定感はないけれどバカバカしさや過激さを持ち合わせている。そういった意味ではあの「夢で逢えたら」でのウンナン・ダウンタウンのコラボはまさに最高のコラボだったといえる。その後一時代を築いたのはいうまでもないが。
若手がコントをやろうとした場合まず演劇の基本が出来ていないとまず無理なのでドリフのような動きで笑わせるコントをやろうとすると絶対失敗する。しかも今テレビに出ているひな壇芸人あたりのコントではお手本になるようなのは居ないから今後はコントができる芸人が減っていくかもね。まぁ舞台役者にはそれなりの逸材が居ますから今後は喜劇役者が増えていくかも?
今日のBGM:ドリフのバイのバイのバイ (ザ・ドリフターズ)