今夏のHM/HR話題作、JUDAS PRIESTの「NOSTRADAMUS」とMOTLEY CRUEの「SAINTS OF LOS ANGELS」を購入しました。

まずは大英帝国の重鎮JUDAS PRIESTの「NOSTRADAMUS」。 ヴォーカルのロブ・ハルフォードが復帰した前作「ANGEL OF RETRIBUTION」から3年、今作はなんとバンド史上初のコンセプトアルバム、しかも2枚組という力の入り様。発売前からただならぬ期待がかかっていましたのでどんなもんかと聴いてみましたが
・・・まぁ、こんなもんでしょ(;´Д`)
いや、悪くはないんですよ、決して。楽曲の構成とかアレンジとか全てにおいてハイレベル・ハイクオリティ。なのですが、やはりベテランにはこれくらい出来て当然かと。昨今のヨーロッパにおけるヘヴィ・メタル人気を後押ししているのがこのような大作も一因とも言われているくらいなので向こうでは正当な評価を受けるでしょうね。しかし日本ではこういうのはどうかな・・・
確かに攻撃的な曲が少なく朗々と歌い上げるドラマティックな曲が多く今までとは全く違ったアプローチなのです。が全てが重厚長大でありそれがまさにHM。全盛期のようなアルバムはもう作れないのでしょう。というか作らないのでしょう。逆に今しか作ることが出来ない作品のような気がします。単純に聴くのではなくじっくりと聴いてもらいたいアルバムですね。

そして米国が誇るローIQ/ハイエナジーを地で行くw永遠の悪ガキバンドMOTLEY CRUE。そんな彼らもアラウンド50、オッサンもオッサンwそら結成から25年以上も経っているんですからね。しかしこのバンドは名前の通りバラバラで80年代無敵の全盛期オリジナルメンバーが90年代以降安定せず、アルバムも出すものの鳴かず飛ばずといったところでまさに迷走状態。しかし攻撃的で荒削りながらもキャッチーな楽曲やそのロックスター然としたカリスマ性から根強いファンも多く復活の度には挙って話題にはなるのです。
そんな彼らが2年前にオリジナルラインナップでようやく復活。まずはグレイテストヒッツ形式のライブツアーでウォーミングアップし、このメンバーによるアルバムは11年ぶりとなるのが今回発売された「SAINTS OF LOS ANGELS」なのです。
考えてみればMOTLEY CRUEほど時代の流行に敏感なバンドはなかったように思えます。90年代の人気の失速の原因はまさにソレでヴォーカルのヴィンス・ニールをクビにし、曲調もグランジ系に鞍替えてしまいファンは急激な変化について行けなかった。MOTLEY CRUEしかできないことではなく彼らがしたかったこと・・・というかブレインでもあるニッキー・シックスが単純にそうしたかっただけなのだが。
ただニッキーが賢かったのはその間違いに気づきヴォーカルを戻したまでは良かったのだが、時すでに遅く時代はHR/HM人気の下降線の一途を辿っていたので曲調も当時流行のミクスチャー系などを取り入れて善戦はしました。その後ドラマーのトミー・リーが脱退し原点に戻ったアルバムも1枚出しましたが完全に一時期の勢いは無くなり世紀末を迎える。
再浮上のきっかけは本国アメリカにおける80年代ヘアメタルの再評価&リバイバルブーム。その間メンバーもソロ活動やサイドプロジェクトなど紆余曲瀬戸を経て今に至るわけですが・・・
でもって新作早速聴いたけど・・・いいんじゃないの? 楽曲もキャッチーになって全盛期のいいところは踏襲してますしね。楽曲はニッキーとそのサイドプロジェクト仲間によるものがほとんどだそうで、コレがまたMOTLEY CRUEが体現してきたことをそのままを歌詞にして彼らしか出来ない曲ばかりなのですから恐ろしいw 勢いとかキレとかは若干足りないですがw まぁ彼らもAEROSMITH同様に大人になってるわけですからコレはコレで良しとしないと。納得の1枚なんじゃないんでしょうかね。
まぁ2組とも老骨なのでほどほどにねw