
何が凄かったってまずたった2人でのコントでコレだけ濃いものを作れるということ。今でさえこのような形態のコントが多いけど、私のリアルタイムの笑いがそれこそドリフやひょうきん族、とんねるず(おかげです)やダウンタウン(ごっつえぇ感じ)に代表されるような豪華主義なものが多かったためこの至ってシンプルな笑いに感銘しました。
笑いの質も至ってシンプル。あるシチュエーションに欽ちゃん・二郎さんの2人が出てきて欽ちゃんが二郎さんをいじる(というかいじめてるというか)とういうもの。台本もある程度しか決まっておらず、流れは全て欽ちゃんが握り二郎さんが空気を動かすというこのアドリブ形の笑いは彼らがパイオニア。まさに奇跡とも言うべきか。とにかくツッコミを入れる欽ちゃんよりも二郎さんの一挙手一投足が一枚上手で面白いのである。
30年前の内容だがやはり本物はいつの時代も面白い。「山彦屋」「個展」「伝統あるタコ焼き屋」「焼ソバ・おにぎり・かき氷」などは個人的に大好きなのだが、これらのものは所謂ナンセンスものでまずありえないシチュエーションだったりもする。それをあたかも実在するかのような説得力というか誤魔化せるパワーはやはり全盛期のオーラみたいなものを感じますね。
欽ちゃんといえば最近は野球の監督の話題で上がるくらいですが、昔は視聴率男といわれ週数本のゴールデンのレギュラーを抱えそれこそ国民的コメディアンでしたが、80年代中頃よりビートたけし・明石家さんまなどの新しい形の笑いがもてはやされるようになり急激に人気を落とすことになる。その後は見事なまでにTVから遠ざかってしまうのだが(仮装大賞などの司会くらいか)欽ちゃん劇団や若手育成などに力を注ぎそこから巣立ち現在活躍してる芸人さんなども少なくない。
しかし欽ちゃんの笑いが一般に受け入れられなくなった要因はその芸人さんたちの暴露でも承知の通りリハーサルやミーティングを何度も行うほどの緻密さだったと思う。出演者をいじるという図式は同じであったが完璧を求めるがゆえに55号の時とは全く違ったのである。それが理想でもあったが逆に仇となってしまった。
笑いはドリフのような緻密さも重要だがやはり55号のような絶妙なアドリブも必要なのである、と改めて思ってみたり。
今日のBGM:森さん (坂上二郎)