A-6 過去問あり 類似 FK601 A-6、FK502 A-6、FK401 A-8
皮相電力・力率などを求める問題です。FK601 A-6では誘導性負荷が2つに抵抗負荷の問題、FK502 A-6では負荷がともに誘導性の問題、FK401 A-8では誘導性負荷と容量性負荷に抵抗が加わった問題でした。敵(出題者)も然る者、色々と仕掛けてきますね(笑)。
それでは解いていきましょう。
負荷Z1(誘導性)に流れる電流をIz1、負荷Z2(容量性)に流れる電流をIz2とする。両負荷は並列に接続されているので共通なのは電圧V=100[V] であるから、これを実数軸方向にとる。この電圧Vに対して、誘導性負荷に流れる電流Iz1は電圧Vより遅れ、容量性負荷に流れる電流Iz2は電圧Vより進む。
従ってIz1は複素平面上では−j領域に、Iz2は+j領域に描かれることがわかる。
ここで与えられた条件は各負荷における有効電力と力率だけなので、これを使って問題を解いていこう。負荷Z1(誘導性)における有効電力をP1(=400[W])、負荷Z2(容量性)における有効電力をP2(=600[W])とすると、それぞれの力率はcosθ1=0.8、cosθ2=0.6であり、Iz1の大きさを|Iz1|、Iz2の大きさを|Iz2|で表すと
である。このときIz1およびIZ2の無効電流成分は上図をみると三辺が3:4:5の直角三角形の辺の比から求められ、それぞれ0.6|Iz1|、0.8|Iz2|となることが分かる。
回路全体に流れる電流IはIz1とIz2のベクトルの合成で得られるからこれらの結果を用いて図示すると
となるから、求める皮相電力Sは
であり、力率cosαは
と計算できる。