A-2 新傾向

半波長ダイポールアンテナの短縮率に関する問題は直近でFB507 A-3で出題されており、過去問にも頻出の短縮率を考慮した素子の長さを求める問題でした。

 

私の記憶が確かならば、今回は短縮率から使用した周波数を求めるという「新傾向」の問題です。まずは復習しておきましょう。

 

半波長ダイポールアンテナの入力インピーダンスであるが、その特性上素子の長さを実際の波長に応じた長さより少し短縮させたところでリアクタンス成分が0になり純抵抗のみとなる。この短くする割合のことを短縮率δといい、

δ=42.55/πZ0(この式は暗記すること)

で与えられる。

この式中の特性インピーダンスZ0は自由空間中の受端解放単線式線路のインピーダンスとして求められ(線路の太さD、短縮率を考慮しない長さL)

Z0=138log10(2L/D)(この式も暗記すること)

である。

 

それでは解いていきます。

まず与えられた短縮率からZ0を計算します。

δ=42.55/πZ0=0.0327よりZ0=42.55/(π×0.0327)≒414[Ω]となるので、これを単線式線路のインピーダンスの式に代入すると

となります。このLの長さは波長λとするとL=λ/4(半波長ダイポールアンテナの片方の素子の長さ)なのでL=λ/4=5よりλ=20[m]となり、求める周波数f[MHz]とすると300/f=20よりf=15[MHz]であることがわかります。