<新傾向> 類似 FA408 A-14

(2024.6.1 内容の誤りを訂正・改訂しました)

FA408 A-14に類似問題がありますが、今回はまた新たな切り口でビット誤り率を捉える問題です。

 

(1)与えられたベースバンドにおけるSNRとAb、σの関係を利用してPを書き換えると

・・・・・(A)

となる。

(2)QPSK信号そのものの(包絡線)振幅がAであるとき、ベースバンド信号(I軸およびQ軸)成分に分けて考えると

I軸信号の振幅はA/√2(デジタル信号:方形波)であり、(ベースバンド信号における)雑音電力はσ^2であるから、I軸信号のSNRをSNRQPSK(I)とすると

・・・・・(B)

となる。

一方でQPSK信号におけるSNRをSNRQPSKとすると上図より振幅A、総雑音電力はI軸Q軸合わせてσ^2+σ^2=2σ^2であるから

(2024.6.1訂正・改変)

一方でQPSK信号(搬送波)におけるSNRをCNRQPSKとすると、搬送波は正弦波であるからその実効値はA/√2となるので

となり、QPSK信号のSNR(CNRQPSK)はベースバンド信号のSNR(SNRQPSK(I))と等しくなることが分かる。

 

ここで、I軸信号のビット誤り率PIとQ軸信号のビット誤り率PQについてはそれぞれ独立した事象であるから確率学的には求めるPQPSK=PI+PQと推測されるが、ここで注意しなければならないのはI軸・Q軸信号は1ビットであるが、これらを合わせたQPSK信号は2ビットになるので平均ビット誤り率PQPSKは正しくは

PQPSK=(PI+PQ)/2

となることである。

従って題意よりPI=PQ、上で得られた結果CNRQPSK=SNRQPSK(I)を用いて
・・・・・(C)

が得られる。

 

(問題文で(1)ではSNRはベースバンドにおける信号対雑音電力比を表しながら、(2)ではQPSK信号(搬送波)における搬送波対雑音電力比のことを指しており、混乱しないように注意する必要があります)