<過去問数値違い FA401 A-8 FA301 A-7など>

頻出問題ですが問われる答えの単位が[W]であったり[dB]であったり、与えられるパラメーターが真数であったり[dB]であったりと、敵も手を替え品を替えという錯乱戦を展開してきています(笑)。慌てず落ち着いて対応しましょう。

 

皆さんは入力端換算の雑音電力Nout→in=kTBFとすぐに分かると思いますが、取り敢えず雑音指数Fを用いて計算式から求めてみましょう。

Sin/Nin:入力信号のS/N、Sout/Nout:出力信号のS/N、受信機の利得G=Sout/Sin、ボルツマン定数k、周囲温度T、等価雑音帯域幅Bとすると

(Nout→inでNoutをGで割っているのは、受信機で増幅された(出力)雑音電力を入力端換算しているからです)

 

 

それでは受信機の入力端換算のC/N(=65[dB])を算出するための式を立てていきます。

まずC[dB]:搬送波電力(入力端換算)から・・・送信電力PdB[dB]、送信アンテナ利得GT[dB]、送信給電線損失LT[dB]、伝送路損失L[dB]、受信アンテナ利得GR[dB]、受信給電線損失LR[dB]とすると

C[dB]=PdB+GT−LT−L+GR−LR

で表すことができます。数値を代入すると

C[dB]=PdB+40−4−140+40−4=PdB−68

 

一方でN[dB]:入力端における雑音電力ですが、問題文を見るとk・T・B・Fは全て真数で与えられているのでN=kTBFから真数で計算して最後にdB変換することにしましょう。

N(真数)=1.38×(10^−23)×290×20×(10^6)×2.5=2001×(10^−16)≒2×(10^−13)

これをdBに換算します。

N[dB]=10logN(真数)=10log(2×10^−13)=10(log2−13log10)=10×(0.3−13)=−127[dB]

 

従って

C/N[dB]=C[dB]−N[dB]

65=PdB−68−(−127)

PdB=65+68−127=6

 

これを真数表示P[W]にしましょう。

PdB=6=10logP

logP=0.6=2×0.3=2log2=log2^2=log4

P=4[W]

 

はい、お疲れ様でした。