ある2つの回路のインピーダンスの積が、周波数に無関係に一定値(=R^2)となる場合、これを互いに逆回路といいます。

 

まずは上図の回路A・BにおけるインピーダンスZAとZBをそれぞれ求めてみましょう。まずはZAから・・・

 

 

 

次にBの並列部分をZBPとしてまず求めておき、それからZBを計算します。

 

これで準備ができました。ZA・ZB=R^2として計算を続けます。

 

この式が周波数(ω)に無関係に成り立つならば、L2/C4以降の部分の分母と分子は等しくなければならないので

となり、このときL2/C4=R^2となります。この意味は、回路Aで直列接続されたL2を回路BでC4に変換して並列接続したときの各素子のリアクタンスの積も一定値(=R^2)になるということです(jωL2×(1/jωC4)=L2/C4)。

 

さて、上式でω^2で括られた括弧内の式も右辺と左辺で等しくなければなりません。この式をωを含む項と含まない項に分けて考えれば

 

 

とそれぞれ並列/直列接続された素子から逆回路の直列/並列に変換されたあとの素子は常にL/C=R^2を満たしていることがわかります(各素子のリアクタンスの積=R^2)。この結果だけを暗記してしまうほうが手っ取り早いのでしょうが、こうやって面倒がらず地道に計算すれば答えが得られることを確認しておけば、万が一忘れても時間さえあれば解けるという安心感につながりますね。