5月20日(月) 12日目 晴れ 走行距離 130.69km(トータル 1083.93km)

 

 

5:30 起床。天気は回復したようで、窓から青空が見えます。朝食を頼んでいませんので、パンをかじり、6:32 出発しました。

 

7:30 紀北町にかかる銚子橋の手前の道路をニホンザルの軍団がするすると渡っていきました。1組は母子で、子猿が母猿のおなかにだっこされています。というか、しがみついています。私は野生のニホンザルを見たのが生まれて初めてなので、ウエストバッグからカメラを出してもたもたしているうちに、猿は塀を超えて行ってしまいましたが、1頭だけ警戒したのか残ってこちらをずっと見ていてくれました。それが下の写真です。伊豆では、これも生まれて初めて野生のアナグマを見ました。こちらも道路に出てきたのですが、写真を撮る間もなく藪に消えていきました。私はアナグマってクマというくらいだからもっと大きいと思っていたのですが、せいぜい猫くらいの大きさしかなく、同定に悩みましたが、モグラにしては大きすぎるし、鼻はとんがっているし、アナグマで間違いないだろうと思います。

 

 

大きな峠を越え尾鷲市に入りました。弱い追い風がありがたいです。

 

10:00 熊野市に入りました。紀伊半島も地図で見る限り上り坂がきついのは、この熊野市までで、それより先はあまり入り組んでいませんので、大きなヤマは越えたと思われます。

 

 

上の写真は、熊野市に入るところの下り坂にあったものと記憶しています。

 

 

下市木というあたりの無人販売所で休憩をとりました。写真の無人販売では、みかん3個で何と100円です。この辺りは、1年中みかんがとれるということで(道路の看板に書いてありました)、この価格が実現できるのでしょうが、雪国からするととてもうらやましいです。1袋買って1つ食べてみましたが、果汁たっぷりで甘くておいしかったです。・・・が、果汁たっぷりということは、手がべたべたになるということでもあり、水道施設があると良かったなと思いました。

 

紀宝町の道の駅で生まぐろ丼を食べました。まぐろが生かどうかなんて気にしたことがない地方から来た者にとって、ご当地でしか食べられないものってすごく価値があります。北海道でも道南の黒まぐろの産地に行けば、きっと生も食べられるのでしょうが、なかなか機会がありません。この生まぐろ丼もたいへん美味しかったです。なにより、たった1000円というのがありがたいです。

 

 

この道の駅は、紀宝町がウミガメが産卵する浜があるということで、ウミガメの博物館も併設しています。入場料は無料というのもいいですね。そこにウミガメのはく製がありましたが、私がイメージしている(あるいは過去に見たことがある)ウミガメとは違い、ものすごく大きなものがありました。多分、頭から甲羅の後ろまでで、1m50cm以上あるのではないでしょうか。これは、見ごたえがありました。

 

紀宝町のウミガメ公園を過ぎると、ほどなく熊野川を越え、和歌山県新宮市に入りました。

 

 

日暮れ前に潮岬につきました。潮岬は、地図でおわかりの通り、串本町から陸繋島でつながっています。函館山のような感じと思いました。ということは、坂があるわけで、ぐるりと回って何度かの坂を上り、ようやく潮岬につきました。

 

 

本州最南端ということで、この旅の最後の目的地と言えます。もう、これ以上岬や灯台を巡ることもありません。なんだか目的を半分以上達成した気持ちになり感無量です。

 

私が持っているツーリングマップルはちょっと古いもので、潮岬の芝生の上でキャンプができると書いてあったのですが、コロナ禍以来、禁止になっていました。これから民宿・ホテルを探すには暗すぎます。どうしようもないので、ここは開き直って、「芝生の上がダメなら駐車場で」ということで、トイレ横の駐車場にテントを張ることにしました。とはいえ、グレーなことには間違いなく、観光客がいなくなってからにしようと場所だけ確保します。私のテントスペースの横にジムニーが止められていて、なんと、この所有者は犬連れで釣りをしているという東京からの方でした。この日も、ここで車中泊とのことで気持ちが少し楽です。

 

18:00 まだ観光客がいますが、バーナーを出して夕食の用意をしました。この旅に持ってきた重いサトーのレトルトごはんにフリカケ、午前中に買ったみかん、バナナを食べます。だんだん暗くなってきたので、テントを張りました。

 

横浜出身で気に入って和歌山に引っ越してきたという若者と前述の東京の方と3人で19:30ころまでいろいろと情報交換しました。旅行中に何が楽しいかと言って、こういう緩い付き合いが最高です。普段は絶対できないことです。

 

その後、シュラフに潜り込みましたが、21:00頃から、オートバイがおそらく5,6台集まりだし、タイムレースのようなことをやりだして目が覚めました。テントですからバイクの音や声は筒抜けです。けっこう警察を気にしているのでしょうが、エンジンはしっかりと吹かしてバリバリいっています。そんなに気にするならもっと静かにやってほしいものですが、トラブルになるのも嫌なのでじっとしているうちに2時間もしないうちにいなくなりました。