先日のブログに書いたおもちゃの瓶詰の中の部品を見て、再生ラジオを作ることにしました。

 

 

そこで、第一に決めなければならないことは、この再生ラジオの仕様です。だいたい、周波数をどうするのかを決めないことには始まりません。再生をかけるのでSSBやCWも聞こえるということでしたが、まずは中波放送を聞いてみようかなという気持ちになりました。大きめのエアバリコンがあったことも理由です。

 

そこで、このバリコンの容量をキャパシタンスメータで測定してみます。

 

 

羽(ローター)が全部入っている状態で345pF。

 

 

全部抜けてた状態で11pFでした。どんなバリコンも浮遊容量がありますので、最低容量は10-15pFくらいになるそうです。

 

ここからコイルの設計をします。実は、コイルを巻くボビンを当初プラグインコイルにしようと考えていましたが、今の時代そんなものはどこを探してもありませんでした。唯一、ヤフオクには時々出てきますが、とんでもない値段です。しかし、出来ることなら短波も聞こえるようにそのうちに拡張したいと考え、従来のプラグインボビンは手に入らずとも、何とかそれらしいものをと思い、8ピンのGT管ベースを手に入れました。これにピッタリとあうプラスチックパイプを探して固定することにしました。GT管ベースの直径は33.5mmでしたので、パイプの内径が34mmのものを見つけました。しかし、Amazonと楽天にありましたので、楽天の方が安いこともあり楽天に注文しましたが、中国発送ということで1か月以上かかるみたいです。その間、同調回路以外の製作に励むことにしましょう。

 

345pFに組み合わせて、550kHz に同調するコイルは、計算サイトによると下のようになりました。

 

 

コイルは250μHとわりあい小さめで良いようなんですが、このコイルとバリコンの最小容量で計算すると、

 

 

なんと3.3MHzになってしまいます。1.8MHz帯も受信できてよいようにも思えますwが、クリチカルで使いにくそうです。そのためいろいろと試したのですが、バリコンに並列に25pF程度のコンデンサを抱かることにしました。すると、最小容量が36pFとなり、

 

 

受信最大周波数は1.68KHzです。この時の受信最低周波数は、

 

 

523KHzとなります。札幌NHK第一放送の周波数は567KHzですので、十分です。

 

現在注文しているパイプの直径が40mmなので、これに手持ちのUEWの中から適当に細いものを選びます。あまり細いと巻きにくいですし、再生コイルやアンテナコイルも巻くので、あまりにもパイプが長いと邪魔になるとの配慮から、線径を0.2mmとしました。やはりソレノイドコイル設計サイトを使って、コイルの巻き数を決定します。

 

 

周波数が100MHzになっていることに今気づいてびっくりですが、インダクタンスとは関係ありません。252μHのインダクタンスを得るためには、直径40mmのボビンに72回巻けばよいことがわかりました。コイルの長さは線径が0.2mmですから14.4mmになります。多少直径が変わっても、線径や長さが変わっても大きく狂うことはないと思います。ちなみにこのコイルの無負荷のQは84でした。Qはコイルの直径と長さが同じくらいの時に最大になりますので、もう少し細いボビンに巻いた方がコイルとしては良いのでしょうが、社会的な都合で仕方がないですね。

 

アンテナコイルというか、同調コイルの1次側は、色々と調べたのですが、設計の計算方法が見つかりませんでした。ただ、2次側の1/5から1/10くらい巻けばよいという記述が見つかったので、これに従うと7回から14回となります。10回も巻けば十分でしょう。そういえば、昔の並三コイルには1次側にタップが出ていて、ALとASがありました。ロングアンテナとショートアンテナを切り替えるということなのでしょう。このあたり、実際に作ってみないとわかりません。

 

再生コイルは、2次側のコイルの上にプラスチックフィルムを巻き、その上に数回(3-4回?)巻いて、2次コイル上を動けるようにします。こうすることで、ポテンショメーターや小容量バリコン(ミゼットバリコンとも言いました)の他に、再生の強度を制御できるようになるみたいです。

 

 

参考

 

共振回路の設計サイト LCR直列共振周波数とQ値 S_LCRCalc (ruru.ne.jp)

 

ソレノイドコイルの設計サイト ソレノイド・コイル の設計 ScoilCalc (ruru.ne.jp)