キットの型番のK-5807EAというものを見て、どんなキットかわかる人っているんでしょうか。これは、aitendoの周波数表示機能付きFMバンドDSPラジオキットです。

 

 

先日、aitendoに部品を発注した際、せっかくなので他に何か買おうかと思って、このキットを購入しました。aitendoのラジオキットは、かなりたくさんの種類があるのですが、(ついでに言うと価格も295円~3500円まであります)購入の決め手は、周波数表示があることです。安いラジオを買うと周波数表示がなく、いったいどこを受信しているのかわからず困ってしまいます。アナログのラジオの場合だとポリバリコンが付いていますので、それにダイヤルでも書き込んで使うという手もありますが、デジタルの場合はそうもいきません。便利なようで不便ですね。

 

デジタル表示が付いているラジオキットは、数種類あったのですが、その中で一番安いものを選びました。このキットは、M5807MBというユニットを使っています。このユニットは、RDA5807Mと同じものだと思います。マイクロコントローラーでI2C接続で使うものでしょう。私も詳しいところはさっぱりで、これから勉強です。aitendoに一緒に注文した変換基板とAliexpressで購入したRDA5807Mを使って、自分でもラジオを組み立てるのが今年の目標です。

 

このキットのマイコンは、AC1082という、どうやら中華製のものらしく、データシートを探したのですが、日本語はもちろん英語のものも見つかりませんでした。中華製がオリジナルということもないわけでもないでしょうが、きっとオリジナルはどこかにあるはずなのですが、その情報も見つからず諦めました。見つかっても私ではどうしようもないんですけどね。

 

 

というわけで、早速作っていきます。aitendoのキットは取扱説明書も組み立て表、部品表も付属していません。全てHPからダウンロードするという仕組みになっています。その分安くしているということなのでしょうね。

 

さて、部品表と部品をチェックしてみると、セラミックコンデンサが1つ不足していました。日本製のキットでは珍しいですが、もしかして中国などの外国で袋詰めしている?のかもと思いました。そんなことはないでしょうけどね。

 

 

まずは、一番面倒なFMラジオモジュールとマイコンのはんだ付けをします。FMラジオモジュールは2mmピッチなのでそれほど難しくはありませんが、マイコンはSOP16というサイズなので、1.27mm(1/20インチ)ピッチです。フラックスをべったり塗って流しハンダというテクニックではんだ付けし、はんだ吸い取り線ではみ出したところを吸い取っていきます。最後にテスターで導通チェックをしておしまいです。

 

 

インダクタの1か所だけ部品表/現物の部品と回路図/基板上の表示が違っていました。上の写真の一番下のインダクタです。回路図/基板上は10μHと表示されていますが、部品表/現物の部品は100μHでした。インダクタの片側はアンテナ線につながっていて反対側は、226(22μF)でアースに落ちています。つまり、このラジオは珍しく直列共振回路がアンテナに入っています。直列共振回路なんて、なにかのトラップかも?と思って、共振回路の計算をしましたが、3.4KHzでした。これでは中波のかぶりを防ぐ意味合いもありません。10μHだとしても共振回路はわずか10KHzほど。やっぱり意味不明です。

RDA5807Mのデータシートを探して、アプリケーション図を見ると、24pFと100nHの複同調になっています。ここに直列共振回路を入れるのはかなり疑問です。直列共振ですので、共振周波数でインピーダンスが最低になります。つまり、共振する周波数がアースに流れます。動作がわからないとなんだかもやもやしますね。

 

 

付属してこなかったコンデンサは、手持ちのいつ手に入れたか記憶にない(多分30年以上前?)のセラコンを取り付けました。

 

取りあえず完成しましたが、なにせデジタルですので調整箇所もなく、電池を入れて受信してみました。周波数表示は出ましたが、音が出ません。一瞬、あれっ?と思いましたが、当たり前です。スピーカーがありません。自分でもおかしくなりながらイヤホンをつなぐと耳に入れる前からガンガン音が出ています。VOL-のタクトスイッチを押すと、周波数表示が変わって何か変です。HPの説明を読むと、VOL+-を短押しするとメモリした局を選ぶそうです。音量の操作はVOL+-スイッチを長押しするとのこと。おそらく、私は数日後にはこの操作を忘れるでしょう。デジタル機器の何が面倒と言って、1つのスイッチに複数の機能を持たせる(かつ、それが表示されない)ことです。長押しするとか、ファンクションスイッチを押してから別のスイッチを操作するとかと言うことですね。人間て若い人も含めてそれほど頭が良いとは思えないんですけどね。

 

RDA5807M FMラジオモジュールはかなり感度が良く、音も良いです。これで、このキットの操作性が良かったらと、やっぱりプログラムも自分で組まないと贅沢は言えないかなと思った次第です。

 

そうそう、気になったことを追記しておきます。それは、電池ケースの足が、すごく硬かったことです。昨年夏に買ったマイクロニッパーの刃がよく見たら欠けていました。磁石を近づけたらくっついたので材料は鉄で、0.5mm位あったと思います。最終的に電工ペンチで切りましたが、aitendoのキットを作る方で、上の写真のような単4サイズの電池ケースを使う時は気を付けておいた方が良いです。

 

と、気になって、ごみ箱から磁石を使って電池ケースの線を拾い直し、ノギスで測ったら直径0.4mmでした。でも、鉄の0.4mmってなかなかだと思います。きっと中華製の部品なんでしょうけど、このくらいは銅に錫メッキ線を使ってほしかったですね。