列車図鑑 -Train Profile- No.14
秩父鉄道 6000系急行形直流電車
CHICHIBU RAILWAY EXPRESS-EMU Series 6000
秩父鉄道は羽生〜熊谷〜寄居〜秩父・御花畑〜三峰口を運行する埼玉県北部のローカル私鉄で,「SL PALEO EXPRESS」の運行で有名です。SLの運転や,西武線や東武線と接続する駅があることから首都圏でも比較的知られた路線であります。
主にローカル・観光輸送がメインの秩父鉄道には熊谷〜影森・三峰口間に急行列車「秩父路」号が運転されています。今回はこの列車に使用される6000系電車をご紹介いたします。
6000系 急行形直流電車
元・西武101系を改造した車両で,随所に面影が見られる。
急行「秩父路」に使用される6000系電車は,西武101系電車を改造した車両で,3両編成×3本が在籍しています。
6003編成は旧型車両が纏っていたリバイバルカラーとなっている。
種車の面影は前面の窓周りや側扉に見られます。改造内容としては前面形状の若干の変更,中央扉を埋め込み2扉化,車内のリクライニングシート化等です。
車内には西武10000系からの発生品であるリクライニングシートが並ぶ。
もともと「秩父路」にはJR165系を改造した3000系が使用されており,この車両の代替用としての登場となりました。急行型車両から通勤型車両への置き換えということにはなりますが,内装は上の画像の通り種車101系の面影はありません。西武10000系のリニューアル時に発生したリクライニングシートをおおむね対面固定でずらりと並んでいます。リクライニング機能も生きていますので,ボックスシートだった3000系と比べるとサービス向上と言えます。
運転台後ろは2人掛けシートと車椅子スペースがある。
中ドア埋め込み部は大型窓を設置。座席形状は結構独特。
運転台後ろは助士席後部に2人掛け座席を設置し,運転席後部は車椅子スペースになっています。また,中央の扉を埋め込んだ場所にはドア幅とほぼ同じ大型の固定窓を設置しています。元々が通勤車両ということもあり,側窓の窓割がほとんど合っていない中でここだけは見事にはまっています。
運転台は種車の面影を残す。案内表示器は車端部上部に設置される。
運転席周りは秩父鉄道線のワンマン運転対応になったほかは種車の面影を残しています。車内には運転室後部上部と車端部貫通路上部に蛍光管式の案内表示器を備えています。蛍光管式の案内表示器は採用例が多くはなく,長野電鉄8500系や伊豆急行8000系,現在はLEDになっていしまいましたが登場当時の京阪800系程度でしか採用されていません。LEDとは違って青緑色なのが特徴です。
今回は秩父鉄道6000系をご紹介いたしました。記事の更新が少なくなってしまってますが,こういった内容の記事を増やしていければなと思います。
◆運用区間(2021年9月現在)◆
急行秩父路号のみの運転
停車駅:熊 谷 ⇄ 武 川 ⇄ 寄 居 ⇄ 野 上 ⇄ 長 瀞 ⇄ 皆 野 ⇄ 秩 父 ⇄ 御花畑 ⇄ 影 森 ⇄ 三峰口
接続路線
○羽生:東武伊勢崎線
○熊谷:上越新幹線,JR高崎線
○寄居:JR八高線,東武東上線
○御花畑:西武秩父線(西武秩父駅,一部西武線へ直通運転)